明石家さんま&松尾貴史、40年の付き合いの2人 舞台に向き合う姿勢は同じ「初日に間に合えばいい」
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――さんまさんご自身が命名された新劇場のこけら落としとしての思いもお聞かせください。
さんま:もともと好きな笑いを自分なりの表現だけで思い切りやって、文句を言われない場を作りたいと思っていて。それが水道橋(東京ドームシティ)にできることになり、座席数も僕が細かい笑いをやりやすいと感じる多すぎない人数に調整してもらい、705席になりました。IMMの名前は要するに『生きてるだけで丸儲け』(明石家さんま座右の銘)なんです。それを縮めた“IDM“は、所ジョージさんが先にそのジャンパーを作っていたので、こっちは“IMM”になりました。そこで、ジミー大西が『生活が苦しい、岡本(昭彦)社長に50万借金がある』と言うので、お前、絵を描けと、ロゴを描いてもらいました。今のところジミーだけは助かってます(笑)。
水田:一度舞台上から客席をご覧になると、びっくりすると思います。
さんま:いや、これね、一生見れないかもしれないから言うといてあげるわ。ステージから客席見ると、僕の顔になってるんですよ。
水田:そうなんです、ステージに立たないと見られない。
さんま:だから、これを見るための入場料を取ろうかという吉本からの提案も……なんちゅう会社や!
水田:見学ツアーみたいな(笑)。
さんま:こけら落としは吉本のNGKやTTホール、これまでいろんな会場でやってきたんですけど、「こけら落とし」ってつくと、こけら落とさなあかんのかなっていうプレッシャーはちょっとあります。
――松尾さんは今回の座組は初ですが、共演者には山西(惇)さんや温水洋一さん、八十田勇一さんなど、ご自身が主宰されていたAGAPE storeや劇団そとばこまちの舞台などでおなじみの方が揃っています。水田さんはそのあたりの相性も意識されたのでしょうか。
水田:そうですね、そこはもちろん存じ上げていますが、松尾さんと私は連続ドラマ(『獣になれない私たち』2018年/『初恋の悪魔』2022年)以来で、結構久しぶりだったんですよ。輿水さんと話を考えているとき、『そうだ、松尾さんいた!』と思いつき、すぐご連絡しました。
松尾:ありがとうございます。前回のさんまさんの渋谷の芝居のときに(『七転抜刀!戸塚宿』)一緒にお好み焼きを食べに行って、そこで水田さんが軽口で「次、よかったら出てよ」とおっしゃったんですよ。そのときは「間が合えば出ますよ」と軽口で言ったんですが、正式にオファー頂いたときに、あれ、あの人覚えてたんやって(笑)。
さんま:やきもち焼くわけじゃないですけど、僕のほうが温水、八十田よりも先に、キッチュとして知りおうてますからね。実は最初はこっちなんで。
松尾:(さんまは)優しい先輩やったんですよ。ワイドショーのリポーターみたいな突撃取材の仕事をさせられたときに、さんま師匠にアポ無しで行って。「何考えてんの」って女性マネージャーとディレクターに僕が怒られてるのが、上の隙間からダダ漏れなのを聞いていて、「おい、キッチュやったら、やったれや」と取材を成立させてくれたことがあって(笑)。それがもう38年ぐらい前になりますかね。
さんま:ひょっとしたらもっと前かもわからんね。