『テラフォーマーズ』原作者、「怒りを物語に反映しているから」とヒットの理由を分析
火星に放ったゴキブリが500年間でおそるべき進化を遂げ、人間に牙を剥く――斬新な世界観と迫力たっぷりのバトル描写が話題になり、2013年版「このマンガがすごい!」ではオトコ編第1位にも輝いた『TERRAFORMARS(テラフォーマーズ)』。待望のコミックス10巻同梱OVA「バグズ2号 前編」がいよいよ発売となり、この秋からTVアニメ「アネックス1号編」が放送となる。ますます盛り上がりを見せる本作の原作者・貴家悠氏に、原作の誕生秘話を聞いた。
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「連載が始まったときは、6話で終わる予定で描いていたので、こんなに続くとは思っていませんでした。いずれラグビー漫画でブレイクする貴家悠の初期の迷作になればいいなって思っていたくらいです(笑)」。
屈託のない笑顔で明るくジョークを飛ばすのは、大ヒット漫画『テラフォーマーズ』の原作者・貴家悠(さすがゆう)氏。若干25歳にして、本作がデビュー作となる新進気鋭の漫画家だ。貴家氏が「いずれラグビー漫画でブレイクしたい」と語るのにはわけがある。
「もともとラグビーをやっていたこともあって、ラグビー漫画が描きたかったんですよ。それでネームを編集さんに見せたら、『よかったよ。それじゃあ次は潜水艦か火星の話を持ってきて』って言われて。えっ、今読んだのラグビー漫画ですよね? って(笑)」。
実は当時、担当編集者が夢中になっていたのが映画『第9地区』や『K‐19』だったのだ。そんな何気ない一言から誕生したのが『テラフォーマーズ』だった。それにしても、「火星に放ったゴキブリが進化して、人間と戦う」という奇想天外な発想はどこから生まれたのか。
「なんでゴキブリなんですかってよく言われるのですが、特にゴキブリありきで始まったわけじゃないんですよ。火星を住めるようにするテラフォーミングという考え方自体は昔からあるんです。そこから火星でゴキブリと人間が戦う話を思いつきました。なんで戦うのかって言われたら、そりゃもう行ったら戦うしかないですよ! 人生は戦いですからね!(笑)」。
『テラフォーマーズ』を描いていると言うと、昆虫に詳しいのではと思われることが多いという貴家氏。しかし、実は本作の連載が始まるまで、特に虫が好きなわけではなかったのだという。
「連載することになってから図書館の昆虫本コーナーに通ったりしているうちに、面白いなと思い始めてちゃんと調べるようになりましたね。子どもの頃に虫取りなんかはしたことありますが、でもせいぜいカブトムシくらい。僕の世代で最後くらいじゃないでしょうか」。
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