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『燃ゆる女の肖像』女性2人の“世紀の愛の物語”を紐解く<5つのキーワード>

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■ふたりを永遠に繋ぐ数字“28”

 エロイーズの絵を描いているマリアンヌに、エロイーズは自分もマリアンヌの絵がほしいと頼む。手元にあった本の余白に描くことにしたマリアンヌに対してエロイーズが指定したのは28ページだった。のちのシーンでマリアンヌは、思わぬ形でこの“28ページ”と再会することになる。

(左から)昨年のカンヌ国際映画祭に手をつないで登場したノエミ・メルラン&アデル・エネル。エネルの左手甲には“p.28”の文字が!
(C)GettyImages

 細部に渡るまで行き届いた演出のほんの一例だが、エネルは昨年のカンヌのフォトコールでなんと左手甲に“p.28”と書いて登場。彼女にとってこの数字がどんな意味を持つのか気になるところだ。ちなみに今年、エネル自身が起こしたとあるアクションが日本でもSNSなどで話題になったが、それは奇しくも“28”日(現地時間)のことだった。気になる人はチェックしてほしい。

■“夜の朗読”が示すもの

 ある夜、マリアンヌとエロイーズと召使のソフィは、ギリシャ神話の吟遊詩人オルフェと死んだ妻を巡るくだりを読みながら、その解釈について対等に議論を交わす。修道院で規律やしきたりなどの教育を受けてきたエロイーズは、マリアンヌとともに島を散策し、文学や音楽をはじめ様々なことを語り合う中でそれまで自分の知らなかった自分を知るようになる。

映画『燃ゆる女の肖像』召使のソフィ(左)(C) Lilies Films.
 シアマ監督は、「この映画は、美術や文学や音楽などのアートこそが、私たちの感情を完全に解放してくれることを描きました」と語り、さらに「ソフィとの友情は階級を越えたものです。役柄同士に連帯感と誠実さを求めました」と愛の物語以外にも様々な思いが込められていることを明かす。ちなみに、エロイーズが朗読するオルフェと妻の物語は映画の重要なモチーフにもなっているので、劇中物語を読むシーンにもぜひ注目を。

 映画『燃ゆる女の肖像』は12月4日より全国順次公開。

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