『プリキュア』今年で20周年 キュアバタフライチームが語る“繋ぐ”ことの大切さ「プリキュアって、すごいんです」
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――「繋ぐ」が一つのキャッチコピーである本作。皆さんは誰かに繋いでいきたい思い、誰かと分かち合いたいことってありますか?
七瀬:『プリキュア』の現場の皆さんって、本当に優しいんです。アニメのなかだけじゃなくて、キャストの皆さんが温かくて優しくて。そういう気遣いとか心遣いとか、相手を思いやれる気持ちがあるから、みんなプリキュアになれたんだなと、ひしひしと感じています。自分には、みんなのような温かさがあるかなって、毎回現場に行くときに思っていて。でも、だからこそ、自分に向けてもらった優しさを、誰かに繋げていきたいなと思っています。
三森:私が繋げていきたいものは、服やモノを捨てないこと。仕事で1回着たきりの服が結構あるんです。そういうのを昔は捨てちゃったり、妹にあげたりしていたのですが、本当に必要としている人に届いたほうがいいんじゃないかと思って。それを突き詰めていったら、リサイクルショップに売りに行ったり寄付したりするようになり、今はモノをなるべく捨てないように心がけるようになりました。なるべくリサイクルを心がけるSDGsの生活を送っています。
――そう考えるようになったのは、何かきっかけが?
三森:子どもが生まれてから、未来がすごく心配になっちゃって。規模の大きな話になっちゃうんですけど、この子が私ぐらいの年齢になったとき、地球の温度は何度くらい上がっているんだろうとか考えるようになったんです。そうしたら、小さなことから、私だけでもいいから、とりあえず始めないといけないなと思って。ストップ温暖化を進めています。
藤田:さすが、キュアアース!
藤田咲
――プリキュアもさまざまな地球の問題をテーマとして取り上げてきました。
三森:そうですね。子どもたち、未来のためにも、地球を大事にしないといけないなと思っています!
小原:私、年が10歳離れた弟がいるんです。その弟が小学生になったタイミングで、母がボランティアで読み聞かせをやるようになり、今でも続けています。弟も私も幼少期にたくさん絵本を読んでもらいました。絵本の読み聞かせがどう子どもの成長に作用するのか、正直分かってはいないです。それでも、母が「この子にはこの絵本がいいかな」とか「お姉ちゃんにこれを読んであげたから、弟にも読んであげよう」と思ってくれたその愛情や優しさを、大人になってからより感じるようになりました。
七瀬:すてきな話。
小原:実は母もおばあちゃんから絵本を読んでもらっていたらしいんです。だから、私もいつか子どもができたり、知り合いに小さい子どもができたりしたら、本を読み聞かせてあげたいなって思います。そういう母の活動を見て、いつしか私は絵本を自分で作ってみたいなと思うようにもなりました。私の今の夢です。その絵本を母は誰に読み聞かせてあげるんだろう。
小原好美
――おばあちゃんから母へ、そして小原さんへとすでに繋がっているんですね。
小原:確かに!
藤田:いま話を聞いているなかで、『スマイルプリキュア!』でキュアハッピーを演じていた福圓美里ちゃんから台本を見せてもらったことを思い出しました。確か最終回の台本だったと思うのですが、当時の台本って、手書きだったんですよ。だから、例えば思いが強くなるようなシーンだと、字が大きくなったり、思いが乗って斜めになったりしていて。その台本を見たときに、「プリキュアってすごい!」って感動したんです。当時はデビューして間もない頃で、プリキュアはまだちょっと遠い存在というか。大谷翔平選手じゃないけれど、「憧れ」だったのかも。すごい世界があるんだ、いつか出られたらすてきだなという感じだったんです。
――なるほど。
藤田:その何年後かに、『Go!プリンセスプリキュア』で先代のキュアフローラ役を演じることになり、打ち上げにも参加させていただきました。その打ち上げで、メインキャラクターを演じていた4人があいさつしていたのですが、あのときの輝きが本当にすごくて。「あなたに、この役をお願いします」と言われて一年間それを全うしたら、こんなにキラキラするんだと思ったんです。それからマネージャーに「私はプリキュアになりたい。オーディションを受けさせてください」とお願いしました。そうして、今があります。おぼろげな夢だったものが明確な目標となり、かなえることができたのは、美里ちゃんがあの台本を見せてくれたから。そう考えると感慨深いですね。プリキュアって、すごいんです。
(取材・文:M.TOKU 写真:小川遼)
『映画プリキュアオールスターズF』は、9月15日より全国公開。
※『ヒーリングっど・プリキュア』の「・」は記号のハート