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津田健次郎、声優と俳優の行き来に充実感「演じるという意味では同じ」

映画

■俳優、声優の演技の違いとは? 俳優としての転機は『最愛』



 大学で演劇を学び、1995年のテレビアニメ『H2』の野田敦役で声優デビューした津田。艶やかな低音ボイスも魅力で、『遊☆戯☆王』の海馬や『呪術廻戦』の七海など、代表作を挙げればキリがない人気声優として活躍している。一方、近年は吉高由里子主演のドラマ『最愛』(TBS系)や、山田涼介主演のドラマ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)、今月よりスタートした門脇麦主演の『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)など次々と実写ドラマに出演を果たし、俳優としての存在感もぐんぐん高めている。

 俳優として求められる喜びについて聞いてみると、津田は「とてもうれしいです。全身を使って演技をする面白さを、ものすごく感じています」と笑顔を見せながら、「アニメや映画の吹き替え、ナレーションなどの声のお仕事も、より丁寧にやっていきたい。声優と俳優、どちらのお仕事もやっていけるといいなと思っています」と希望する。


 俳優としての転機に挙げた作品が、津田が劇中で巻き起こる事件捜査の指揮をとる警視庁捜査第1係長の山尾役を演じた『最愛』。津田は「『最愛』でがっつりとレギュラーとしてテレビドラマに出させていただいて、映像の現場のものづくりの醍醐味を感じ、改めて実写でのお芝居って面白いなと実感することもできました。『最愛』からもらったものは、とても大きなものだと思っています」とにっこり。

 ちなみに映画『イチケイのカラス』の島谷の妻を演じているのは、『最愛』にも出演していた田中みな実。津田は「『最愛』では、ごあいさつだけさせていただいて。『イチケイのカラス』でも家族写真を撮影する日だけご一緒させていただいて。『お久しぶりです』とお声がけしました」と両作共に近いところにいながらもなかなか本格的な共演はできなかったそうで、「完成作を観て、奥さんが大変な状況になってしまったなと思って…。本当にかわいそうでした」と島谷の死後、孤軍奮闘する妻の心情に寄り添っていた。


 俳優、声優としての活動を行き来している今、それぞれの演技の違いについてどのように感じているのだろうか。すると津田は「個人的には、そんなに違いを感じることはなくて。演じるという意味では同じだと思っています」と口火を切り、「アニメや映画の吹き替え、実写のお芝居など、そういったジャンルに関わらず、いずれも“その作品ごとに役に対するアプローチが変わってくる”という考え方です」と持論を展開する。

 とはいえ舞台俳優としてキャリアをスタートさせた後、声優の世界に飛び込んだ際には勝手の違いに戸惑いもあったそうで、「声優業の場合、お芝居のリズムを自分で作ることはせずに、絵のほうにリズムがあるんですね。最初はそこがとても難しかった」と告白。「もちろんセリフを体の中に入れて全身を使って演じるのか、台本を片手に持って声を使って演じていくのかという違いや、アニメと実写では距離感の捉え方が違ったりと、声優業には独自の技術が必要な部分もありますが、根幹にある“演技をする”ということは同じ。俳優も声優も、芝居をするという枠の中にいるものだと思っています」と技術的な違いはあれど、全身全霊を注ぎその役として生きることにおいては同じだという。

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■「とにかくいっぱい芝居がしたい」

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