土居志央梨、『虎に翼』“よね”で大ブレイクも「いただいた役1つ1つに心をこめて」芝居への思いは変わらず
――『虎に翼』で“よね”さんを演じられて、1年近く同じ役と向き合う経験は初めてだったかと思います。鵙尾への切り替えはすんなりできましたか?
土居:衣装合わせでこの衣装を着た時に、あまりにも違いすぎて。(切り替えは)難しいかなと思っていたんですけど、あんまり悩まずに切り替えられた感じがありました。原作を読んでいたので、こういう感じなんだとは思っていましたが、こんなに明るいオレンジの髪だとは思ってなかったので、(ウィッグを)被って「なるほどな」とイメージがパッと湧いてきたというか。これを被ったら自然に鵙尾になれるという感じで、意外と苦労はしなかったかもしれないです。
毎回どうやって切り替えているのか自分でもよく分からないんですけど、衣装やメイクに毎回すごく助けられています。あのスーツを着ればよねのスイッチが入るという感じでしたし。
――今お話に出ました『虎に翼』の放送が終わり、しばらく経ちました。
土居:やっぱりまだ信じられない気持ちがあって。(取材当時)クランクアップして1ヵ月くらい経つんですけど、もうちょっとしたらまた撮影が始まるんじゃないかっていうくらい、あまりにも自分の中に染み込みすぎていて、いつでもあの世界に戻れるっていう感覚がまだあります。どのタイミングで終わったことを実感するのか分からないというか、あまり感じたことのない不思議な感覚ですね。もしかしたらこれからジワジワくるのかもしれません。
――『おちょやん』でも朝ドラに出演されていましたが、今回のよね役は周囲の反応は違いましたか?
土居:全然違いますね。「よねさんですか?」って役名で呼ばれる経験はこれまでなかったので。「毎日見ていて大好きなことをどうしても伝えたくて」と息切れしながら走って追いかけてきてくださった方もいて、こっちもグッときちゃって。こんなに熱量を持ってくださる作品に関われたんだとものすごく感謝しています。
――放送中、よねさんに対する反響をエゴサされたりはしましたか?
土居:最初のころはしていたんですけど、途中で卒業しました。やっぱり、序盤のお話はだいぶ前に撮っている分なのでどうしようもないんですけど、この後に撮影する分はネットの反応を見て演技を変えられてしまうので、それってちょっと怖いというかブレるところが出てくるかもと考えたんです。なので、あまり影響されないようにと思って卒業しました。
でも、自分のSNSに上げた投稿に届けてくださる返信はありがたく拝見していて、楽しみにしています。
――来年には大学卒業から10年が経ちます。今後、どんな俳優さんになりたいという思いはありますか?
土居:大きい展望みたいなものはないのですが、いただいた役1つ1つを心をこめてやろうと誓っています。慣れてしまったり、手を抜いてしまったりしないように、1つ1つに100%の愛情を注いでいきたいと思います。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:上野留加)
金曜ナイトドラマ『無能の鷹』は、テレビ朝日系にて毎週金曜23時15分放送(※一部地域を除く)。