アベンジャーズと関わるのは無理!? 加瀬康之&山路和弘が語る『デッドプール&ウルヴァリン』
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山路:ヒュー・ジャックマンは真面目な人だから、一つひとつの芝居に理屈をつけているんじゃないかと思います。そして、にじみ出てくる本人の人柄。すごく良い人だろうなと感じるので、こちらが裏切ってしまわないようになるべく沿って演じようとはしています。
加瀬:ライアン・レイノルズはすごく難しいです。表情というよりもセリフの言い回しなどでさまざまな表現をしますから。英語圏独特のスラングだったり、『デッドプール』シリーズだと同じシーンを自分の気が済むまで回して、さまざまなセリフのパターンを試すらしいです。『デッドプール2』に出演していた忽那汐里さんがおっしゃっていましたが、とにかく同じシーンの撮影が終わらず、最終的に何が使われるのか分からないらしいです。僕が演じる上では、ライアン・レイノルズのクセに合うようにしゃべるというよりも、日本語にどう変換したらハマるんだろう、というところに重点を置いています。もちろん表情に合うようにはしたいですが、そもそもデッドプールの時はマスクをしてますし、外した時もケロイドのような特殊メイクをしているからか表情をあまり変えないんですよね。
ちなみに今回の収録だと「尊い」というセリフがあったのですが、そのまま言ったら面白くないなと思って「てぇてぇ」に変えさせていただきました。僕も初めて聞いた時は「何それ?」と思ったのですが、若いスタッフの子たちに聞いたら「使います」とのことだったので。どうやら「尊い」の最上級らしいです(笑)。これまでのシリーズでも、その時代のニーズやトレンドに合った若い子たちが使うような文言を入れたりと、割と自由にやらせていただいています。
――そのシーンを拝見できることを楽しみにしています。ちなみに、デッドプールとウルヴァリンの掛け合いのシーンについてはいかがでしたか?
加瀬:「山路さんの呼吸ってこういう感じだったなぁ」と懐かしく思いつつ、それ以上に合わせるのに必死な内容でした(笑)。
山路:お互いしゃべり出したら止まらないしね(笑)。
――今回はディズニー作品になりましたが、マーベルの作品群の中でも『デッドプール』は異端の存在ですね。
加瀬:僕はデッドプールはアベンジャーズと一切関わらないでほしいです。というかもう無理だと思います(笑)。『アベンジャーズ』シリーズは今の世界情勢をテーマに描くことが多いかと思いますが、デッドプールは全然違うところにいますから。同じマーベルの中でも独自の路線を突き進んでほしいです。
――最後に改めて、『デッドプール&ウルヴァリン』の魅力を伺えますでしょうか。
山路:早回しで見ているのでは!?となるくらいのスピード感があり、さまざまな要素が盛りだくさんの気が狂ったような映画です(笑)。
加瀬:『デッドプール』はラブストーリーで、『デッドプール2』はファミリー映画でした。そして今回は、デッドプールの苦悩が描かれます。「いいヒーローとは何ぞや」ということをウルヴァリンと共に経験していく物語になります。まぁその割にやっていることはひどくて、二人ともとんでもないのですが(笑)。
山路:本当に悩んでいるのか!?みたいなね(笑)。
加瀬:そうそう。相当ハチャメチャやっている映画ですが、最終的にはなかなかいいバディーに仕上がったのではないかなと思います。
山路:ライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンの仲が良いのがにじみ出ているんだよな。
加瀬:二人の関係性が見えてきますよね。そのあたりも含めて、ぜひ楽しみにしていてください!
(取材・文:SYO 写真:小川遼)
映画『デッドプール&ウルヴァリン』は現在公開中。