堺雅人&麻生久美子、キャリア豊富な2人も吹き替えに苦労 カモ一家の家族愛・夫婦愛に感じた思いとは
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(左から)麻生久美子、堺雅人
――今回演じられたキャラクターについてはいかがでしたか?
麻生:私は新しいことをするのが大好きだし、やりたいことがたくさんあるタイプなんです。新しいことをいっぱい見てみたい、子どもたちにも新しいことをたくさんやらせてあげたいと思っていたりと、パムと似ているんですよね。私の場合いろんなことが続かないっていう問題が別にあるんですけど(笑)。
――(笑)。子どもたちや夫であるマックへの愛情を常に失わないパムも、そんなパムを大切に思うマックも、本当に素敵な家族でした。
堺:本作は愛の物語ですよね。なんでマックが“渡り”をしないのかと考えたら、パムのことが好きだったからだと思うんです。僕の解釈ですが。マックは繁殖期の、メスを惹きつけるためのオスガモの羽色をしているんです。天敵にも見つかりやすいのに、なんでこんな目立つ格好をしているのかといったら、パムのことを本当に好きで、この人を失いたくないからなんじゃないかなと。
カモは1回の繁殖期につき10羽くらい子どもが孵るそうなんですけど、マックとパムには、ダックスとグウェンという2羽しか残っていない。きっとパムは以前ほかの子どもを失ったことがあって、とても悲しんだと思うんだよね。そんな悲しむパムの顔をマックは見たくないから、子どもたちのことも危険から遠ざけて守りたいと思っているんじゃないかと。そう考えたら、物語がグッと僕の中でヒリヒリするものになったんですよね。だとしたら、そんな思いをしたパムが「冒険に出たい」と言った時に、マックはきっと「えー!」と思ったと思うんですよ。「いいの?」って。そうだったら素敵だなと思って。
麻生:堺さん、そこまで考えられていてすごいです…。
麻生久美子
堺:カルガモの親子の行進とかいうけれど、あの子たちがみんな親ガモになったら大変なことになりますからね。結構犠牲になったり…。
麻生:いやだー。母ガモの声をやった身としては、これからニュースの見方が変わってしまうかも…。
でも、本当にマックやパムはいい家族ですよね。ずっと“渡り”をしてこなかったけど、一歩勇気を踏み出してみたからこそ見える景色や新しい世界がある。今までと同じようにずっと同じ場所にとどまっていたら、ここまでの家族の絆や子どもたちの成長にたどりつけなかったと思うんです。マックやパムの姿からは、そういう一歩を踏み出す勇気の大切さがよく分かるし、皆さんにもそう感じてもらえる映画になっているのではないかなと思います。
堺:僕はマック派なので、パムの考えに従います(笑)。マックが見たい景色というよりは、パムが見たい景色をパムの隣で一緒に見たいです。
麻生:(笑)。今回お話を聞いていて、堺さんはやっぱりいい旦那さんで、いいパパなんだなって思いました。
堺:何事も平穏が一番!(笑)
(取材・文:田中ハルマ 写真:松林満美)
映画『FLY!/フライ!』は、3月15日公開。
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