鈴木亮平「僕はすごく不器用」 変幻自在の俳優が人一倍努力するワケ
「すでに名を残していると思いますが…」と問いかけると「まだまだ。僕は200年後の人に覚えていてもらいたい。200年残る映画を作りたい」と照れ笑いを浮かべながら語ってくれた。
そんな発言も絵空事に聞こえないのが、鈴木の“俳優という仕事に対する向き合い方”が真摯に伝わってくるからなのだろう。一方で「辛いことがあったらすぐに言っちゃうんです」とホッとする一面も。
「日本人って耐える美学があると思うんです。俳優が役作りについてあまり語らないというのもカッコいいと思う。でも、僕は言おうって決めているんです。この間まで減量してたのですが『死にたいぐらい辛かった』って言ってます。本当なら『役のためなので…』とか寡黙に言った方が格好いいんだろうけどね(笑)。言わないと伝わらないこともありますから」。
本作の見どころを尋ねると「プライベートでしか見たことのない(生田)斗真君の笑顔」と即答した鈴木。「何度か一緒に芝居をさせてもらっていますが、彼の優しい思いやりのある、気を抜いている時の笑顔が作品の中で見られるんですよ」とその理由を語ると「同世代でライバルでもあるから『負けないぞ』って思いもあるのですが、斗真君ってやっぱりすごいなと感じる瞬間でした」と付け加えた。
さらに「この映画は、誰かのために行動を起こすという美談だけではなく、現代社会に対する不満が、復讐や弔いへ向かっていくエゴイズムも描かれている。そこが深い部分なんです」と作品の出来に胸を張っていた。(取材・文・写真:磯部正和)
映画『予告犯』は6月6日より全国公開。