真木よう子、“普通の女性”役が一番難しい 新作で「大きなチャレンジ」
最新作『脳内ポイズンベリー』で、恋愛に臆病な等身大のアラサー女子をキュートに演じた真木よう子。そこには、男勝りのかっこよさなど微塵もなく、ちょっぴりとぼけた可愛らしさがフワフワと心地よく漂っている。クールビューティーからコメディエンヌへ。新たな領域に足を踏み入れた真木に、映画への熱い思いや撮影中のエピソードなどを聞いてみた。
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本作は、『失恋ショコラティエ』などで知られる水城せとなの原作を『ストロベリーナイト』の佐藤祐市監督が映画化した新感覚ラブコメディー。アラサー女子・櫻井いちこ(真木)が三角関係に思い悩む…と、よくあるラブストーリーかと思いきや、いちこの葛藤が脳内の世界につながり、それぞれの役割を持つ脳内メンバーが会議に勤しむ、という奇想天外な物語が展開する。5つの思考「理性」「ポジティブ」「ネガティブ」「衝動」「記憶」を擬人化し、西島秀俊、神木隆之介、吉田羊ら豪華俳優が激しく討論するシーンも見どころの一つだ。
真木といえば、硬派でシリアスなイメージが強いが、そのキャリアをひも解いてみると、アクションからヒューマンドラマまで実に幅広いキャラクターを演じ分けている。そんな真木に「大きなチャレンジだった」と言わしめた役が、本作の主人公いちこだ。「今回、演じてみてわかったのは、“普通の女性”が一番難しいということ。どんなセリフ回しをしても、どんな表情をしても、成立してしまう。そこが逆に難しかった」と述懐する。
さらに今回は、笑いの要素も重要な位置を占めるラブコメディー。「主人公に成り切って、真剣に演じれば演じるほど、観る側には滑稽に思えてくる、それだけを考えてやりきった」と語る真木だが、サジ加減を間違え、監督から「やり過ぎ」と注意されことも何度かあっという。「例えば、年下の彼に“30歳?ないわー”と言われ、傷ついたいちこが部屋に帰って布団にもぐるシーン。脳内メンバーが首を吊ろうとしているので(笑)、布団をぐるんと巻いて“ウォー!”って叫んだら、監督から“それはやめてくれ”」と苦笑い。