ソロデビュー35周年・渡辺美奈代、「できる限り続けたい」アイドルでいることにこだわる思い
■ライブではミニスカートも健在! 音源と振りも“当時のまま”にこわだる理由
――現在も定期的にライブをされていますが、そのきっかけはどんなことでしたか。
渡辺:私も歌をやることなんてもうないだろうと思っていたんです。25周年を過ぎた頃に主人から「もう一度歌をやってみたら? ファンの人たちも待っているよ」と言われたことがきっかけで、2012年にライブをやって以来、毎年9月にバースデーライブを続けています。最初は昔からの男性ファンばかりだったのですが、今は会場の半分が女性の方です。結婚して子どもを産んでSNSで自由に発信するようになって、時代の流れと共に自然に女性の方もライブに来ていただき、交流ができるのはとてもうれしいですね。
――ライブではおニャン子時代を彷彿とさせる衣装を着て、原キーのまま歌い、ほぼ当時の振りつけのままで踊っていらっしゃいますね。
渡辺:そうなんです(笑)。毎年、ファンの方への恩返しをベースにしているので、元の音キーでアレンジを加えず、皆さんが10代20代のときに聴いていた音源で歌うことによって、その当時にタイムスリップして懐かしく楽しんでいただけたらと思っています。お年頃なので体型の変化とか大変なところはありますが、そこは気合!(笑)ファンの方の笑顔を見て、私もアドレナリン全開で当時にタイムスリップしているんです。先日もファンクラブイベントで、「大人になってこんなに楽しい会があるなんて、生きていて良かった」と言われたんです。10代の頃の私を見ていてくださった方だと思うんですが、続けることに意味があるんだな、やってきて良かったなと思いました。
――ソロデビュー35周年記念の新曲「BIG LOVE」はとても明るくポジティブな曲ですね。
渡辺:振りも楽しみにしていただきたいのですが、今回はTikTok用のダンスも別につくってみました。長男の同級生の女の子が、“女子が可愛くみえる”振りをアレンジしてくれたので10代・20代の若い世代の女の子も一緒に踊ってもらえるとうれしいです。
――いつまでアイドルをやりたいとか目標はありますか?
渡辺:アイドルに「卒業」という言葉がありますが、私は誰が卒業を決めるのかなと思うんです。一人でも「アイドルだよ」と言ってくださるなら頑張り続けたいし、一人でも来てくださるならライブもずっとやっていきたい。ファンの方がミニスカートを望んでくださるなら、還暦になっても頑張ります。
――美奈代さんがアイドルであることにこだわる理由とは。
渡辺:ファンの方が現実から抜け出して、夢の世界に行ける、タイムスリップできる、幸せな気持ちになれる時間を私が作れるのであれば、すごく価値あることだなと。それに、ファンの皆さんも年齢を重ねているのに、私以上にパワフルになっているので、負けていられないんです(笑)。実は、私の『恋愛(ロマンス)紅一点』という曲の振りから“オタ芸”が生まれて、今のアイドルファンにも受け継がれているいうことをあとから知ったのですが、“オタ芸”のルーツであるなら、私ができるギリギリまでアイドルを続けて、ずっとつなげていきたいですね。(取材・文:田幸和歌子 写真:ヨシダヤスシ)
渡辺美奈代ソロデビュー35周年記念シングル「BIG LOVE」は9月29日発売。カップリングにはソロデビュー曲「瞳に約束」のセルフカバーを収録。