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作品にタブーはなし! 製作170本以上のホラー界名プロデューサー、ジェイソン・ブラムに話を聞いた

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ブラムハウス・プロダクションズの創設者ジェイソン・ブラム
ブラムハウス・プロダクションズの創設者ジェイソン・ブラム

 観たい映画をスターや監督で選ぶことは多いが、その名前だけで面白そう! と期待させるプロデューサーは少ない。そんな昨今、既に170本以上の作品を手掛け、多くのヒット作を出しているジェイソン・ブラムは最も信頼できるプロデューサーのひとりだ。

【写真】チェーンソーを構え凄(すご)む! 地味目JKに入れ替わった殺人鬼が大暴れ!

 彼が率いる製作会社はズバリ、ブラムハウス・プロダクションズ。社名にピンとこなくても、話題作を観に行くと必ず冒頭に流れる、幽霊屋敷と不気味な少女のイメージ映像をご記憶の方は多いだろう。
 
 ブラムハウス・プロダクションズは2000年創立の中堅。1万5000ドルの低予算映画『パラノーマル・アクティビティ』(2007)を世界興収約2億ドルの大ヒットに導いて注目され、製作費は抑えつつアイデア勝負で光る作品を連発。現代の幽霊屋敷映画『インシディアス』(2010)や戒厳令アクション『パージ』(2013)シリーズも大成功。文字通り、21世紀のホラー界を牽引し続ける功労者である。

 ほかにも、低迷するM・ナイト・シャマラン監督をスリラー『ヴィジット』(2015)で再起させ、映画界では無名新人だったジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』(2017)を筆頭に、『セッション』(2014)、『ブラック・クランズマン』(2018)とアカデミー賞候補作を3本プロデュース。2017年にはTIME誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。

映画『ザ・スイッチ』場面写真 (C) 2020 UNIVERSAL STUDIOS
 そんなブラムハウスが贈る新作は、凶悪な連続殺人鬼と悩み多き女子高生の体が入れ替わってしまう『ザ・スイッチ』(2020)。スリルと恐怖、笑いと感動を詰め込み、当然ながら全米興行ランキング初登場第1位のヒットとなった。「監督はクリストファー・ランドン。ホラー・コメディの第一人者だ」とブラムは自信満々。「彼とは何度も組んだが、とてもユニークな才能の持ち主なんだ」と絶対の信頼を置く。

◆『パラノーマル・アクティビティ』への功績を絶賛

 ランドン監督とは『パラノーマル・アクティビティ2』(2010)の脚本を任せたのが初仕事で、続けて第3作と4作の脚本も担当。スピンオフの『パラノーマル・アクティビティ 呪いの印』(2014)は、ランドン監督の長編監督デビュー作にもなった。

 「クリスは誰よりも『パラノーマル~』シリーズの世界観に関わり、創作の重要な部分を担った」とブラムは力説する。「大ヒットした1作目の監督はオーレン・ペリだが、シリーズ化に貢献したのは確実にクリスだ」と大絶賛。

 事実、『パラノーマル~』シリーズは7本も量産され、全世界の観客を戦慄させた。その仕事ぶりは「素晴らしいものだったよ」とブラムは称賛を惜しまない。

◆ファイナルカット権は監督に委ねる

 ブラムが製作した『ハッピー・デス・デイ』(2017)と続編の『ハッピー・デス・デイ2U』(2019)は、日本でも熱烈なファンを獲得したランドンの代表作。性悪ビッチな女子大生が誕生日に何度も殺されるタイムループにハマりながら、本当の自分を見つけてゆく異色の青春ホラー・コメディだ。『ザ・スイッチ』は『ハッピー・デス・デイ』に比べ、ちょっと過激な残酷描写が増えた印象だが…。

 「クリスの要望でね」とブラムは答える。「正直に言えば、ソフトなPG13指定の映画を作って欲しかった(笑)。だが、僕らは監督の創意を尊重し、ファイナルカット権を委ねる。その条件があれば、偏見を持たずに意見を聞いてくれるからね」。

映画『ザ・スイッチ』場面写真 (C) 2020 UNIVERSAL STUDIOS
 意見交換は積極的に交わすが、それを採用するかは監督に任せているという。良作を生み出し続ける背景には、才能を見極める確かな目利き力と、柔軟なプロデュース体制があるようだ。

 でも、確かな信頼関係で結ばれているランドン監督に対して、本当は不満があったりして。コッソリ聞いてみると、ブラムはちょっと考えてからひとこと「彼はもっと僕の意見を聞くべきだね」とニヤリ。お茶目な一面ものぞかせた。

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