鈴木京香、攻めの姿勢から変化 自分の心に正直に仕事を楽しむ
◆「俳優というお仕事が大好き」という確かな思い
そのおおらかさは、役者業をまい進する中で身につけてきたもの。「自信がなくて、『私には向いていないんじゃないか』と落ち込むこともありました。でも作品を重ねるごとに『作品はみんなで作るものなんだ』と知り、それが私にとっても大きな喜びになって」としみじみ。「『自分がうまくできていない』と感じるより、『いいハーモニーを作りたい』ということに目を向けるようになってからは、とにかく一生懸命やって、それでダメなら『ごめんなさい! もう一回お願いします!』と言えばいいんだなと思うようになりました。深く反省しないようになったのかな?」と笑い、さらにたくさんの出会いが、大きな力になっていると明かす。
「この先のキャリアについて、不安が一切なくなったわけではないです。それでもきっと乗り越えていけるだろうと思えるのは、このお仕事が、たくさんの出会いをもたらしてくれたから。例えば今回も、中井さんという素晴らしい先輩とまた共演ができて、新しい中井さんの一面を見られることもうれしい。すると『次も共演したい!』って思いますよね。“共演NG”にならないように頑張りたいです(笑)。また、年下の女の子と共演すると『あの作品が好きです』『励みにしています』と言っていただけることもあって。私でも役に立っているのかなと感じると、また明日からも頑張れるような気がする」。
自分の心に正直になって確かめたのは、「俳優というお仕事が大好きだということ。このお仕事に出会えた喜びを今、実感しています」という鈴木京香。どんな言葉からも優しさや、温かさがにじみ出るようで、内面から輝く彼女が、ますます美しく見えた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
ドラマ『共演NG』は、テレビ東京系にて10月26日より毎週月曜22時放送。
『共演NG』場面写真 (C)「共演NG」製作委員会
●鈴木京香/1968年5月31日、宮城県出身。1989年映画『愛と平成の色男』で女優デビュー。1991年NHK連続テレビ小説『君の名は』でヒロインを務め、その後、映画、ドラマ、舞台で幅広く活躍。主な出演作に、『王様のレストラン』(フジテレビ系)、『華麗なる一族』(TBS系)、『セカンドバージン』(NHK)など。2021年には故郷宮城県を舞台にしたNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』への出演が発表されている。
へアメイク:板倉タクマ スタイリスト:藤井享子 衣装協力:ヴィンス/Vince 表参道店(ブラウス、スカート)