キアヌ・リーヴス「僕の限界がこの映画の限界になる。だから頑張らないとね」―― 来日インタビュー
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シリーズ3作目となる最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』を引っ提げ、3作連続で来日を果たした俳優のキアヌ・リーヴスと、シリーズ全作品の監督を務めるチャド・スタエルスキ監督。最新作では、シリーズの重要な要素となっている犬によるアクションも登場し、アクションは激しさを増していく。55歳となったキアヌにとって、より激しくなるアクションにどうやって対応しているのか。秘密を明かしてくれた。
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――前作であれほど激しかったアクションが、最新作はさらに激しさを増していますね。かなりトレーニングされたのですか?
キアヌ:最新作の構想はとてもワイルドで野心的なものだった。だから撮影の4ヵ月前からトレーニングを始めたんだ。今回は馬に乗ってのアクションもあるから、乗馬のトレーニングにも力を入れたよ。この映画では普通に乗るんじゃなく、体をずらして鞍に足を引っかけた状態でアクションしなければならなかったからね。でも楽しいトレーニングだったよ。
キアヌ・リーヴス&チャド・スタエルスキ監督
――監督から見て、キアヌのアクションはどうですか?
監督:このシリーズのアクションは本当にキアヌが頼りなんだ。キアヌは銃器の扱い、射撃の練習、マーシャルアーツなど多岐に及ぶ過酷なトレーニングに励んでくれた。そして、劇中のアクションの殺陣はダンスのようなもので、さまざまな動きをすべて記憶しなければいけない。その上で、それらの動きをカメラがすべて追わなければならないんだ。撮り逃すわけにはいかないから、リハーサルは入念に行ったよ。そしてアクションの編集やビジュアルがいい映画はたくさんあるが、そこにキャラクターが描けているものは少ない。物凄いアクションがある上で、愛すべきキャラクターが必要なんだ。それらすべての要素を担ってくれているのがキアヌなんだよ。
――ハル・ベリーが演じるソフィアのドッグアクションが印象的です。このシリーズは犬が大事な要素になっています。犬を登場させることのこだわりは?
キアヌ:確かに、犬はこの映画において中心的な存在になってきている。チャドは“ガン・フー”(銃のアクション)、“カー・フー”(カーアクション)に続いて、犬のアクションを“ドッグ・フー”って呼んでいるしね(笑)。
監督:この作品に“動物のアクション”という要素が加えられることで、人間性がよりクローズアップされると思ったんだ。銃は持ち主に対して愛情はないけど、犬ならば主人との関係には愛がある、といった具合にね。そこで今回は動物たちにアクションでも一役買ってもらうことにしたんだけれど、これに関しては未知数でもあった。このシリーズのエモーショナルなアクションにハマるかどうかは、やってみなければわからなかったからね。でもその出来栄えは映画を見ての通りだ。僕のお気に入りのアクションシーンになったよ。
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――あの犬たちはどのように訓練したのでしょうか? ハル・ベリーとのコンビネーションの凄さに驚きました。
キアヌ:ハルと一緒に演技する犬たちは印象的だった。ハルは本当に何ヵ月も犬とのトレーニングに臨んだんだ。そして撮影中、ハルから繰り返し言われたのは、「犬たちと目を合わせるな」ってこと。彼らは主人に対してとても忠実で、常に彼女を守ろうとするんだ。だから何気なく近づいたりしてはいけないんだよ。とても能力の高い犬たちだった。そして撮影の最後にはドッグトレーナーが『犬もハルがトレーナーだと思っている』と言っていたんだ。そんな関係を築き上げたハルは、本当に尊敬に値する。