『カメ止め』の裏で…構想3年の新作が完成 上田監督が若手女優らと臨んだ新たな挑戦
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社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が、異例とも言える“3人の共同監督”によって最新映画『イソップの思うツボ』を撮り上げた。『カメ止め』では予想外の展開で観るものを驚かせた上田監督が、構想3年をかけた本作でもその手腕を存分に発揮している。「いつでも楽しむことと、挑戦することは忘れないでいたい」という上田監督だが、『カメ止め』大ヒットの裏側で進行していた本作の制作にはどんな思いで臨んでいたのか? ヒロインを演じた石川瑠華、井桁弘恵と共にチャレンジに満ちた撮影を振り返ってもらった。
【写真】上田慎一郎監督&石川瑠華&井桁弘恵、仲良しショット
家族の仲はいいが、友達はカメだけの内気な女子大生の亀田美羽(石川)、タレント家族の娘で恋愛体質の女子大生、兎草早織(井桁)、復讐代行屋の娘としてその日暮らしの生活を送る戌井小柚(紅甘)。3人の少女の出会いが、予測不能のバトルロワイヤルへと展開していくさまを描く。上田慎一郎、『カメ止め』で助監督を担当した中泉裕矢、スチールを担当した浅沼直也が、3人で共同監督を担った。
井桁弘恵&上田慎一郎監督&石川瑠華
昨年6月に公開され、動員数220万人以上、興行収入31億円を突破した『カメ止め』は超話題作となり、邦画界に大旋風を巻き起こした。そんな中、『イソップの思うツボ』の脚本執筆は2018年の春からスタート。秋にキャスティングが決まり、11月から撮影が始まったとあって、まさに“カメ止めフィーバー ”の裏側で本作の制作は進行していた。さぞプレッシャーがあったのではと想像するが、上田監督は「『カメ止め』が一番忙しい時期だったので、まったく時間に余裕がなかったんです。プレッシャーを感じている暇もなかった。それがよかったなと思っています」とニッコリ。ただし、「それぞれ監督の心の中では『カメ止め』とは違うことをやらなければいけない、と感じていたと思います」と話す。
井桁弘恵&石川瑠華
チラシに「騙されるな!」の文字が踊っているように、あれよあれよと言う間に意外な結末へと物語は進行していく。女優陣は上田監督のオリジナル脚本を読んでどのような感想を持ったのだろうか。石川は「文字だけでは、全体像がまったくわからなかった」とあらゆる登場人物が入り乱れる展開に目を丸くし、井桁も「出来上がった映画を見て、すべての辻褄(つじつま)を理解したときにものすごく驚きました。いろいろな伏線があって、こうなるんだって! まったく想像がつかない展開だった」と巧みな脚本に感心しきり。