魔夜峰央「漫画は完全に完結」 武内英樹監督が描いた原作“その後”に文句ナシ
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埼玉への徹底的なディスりがインパクトを放つ、魔夜峰央の衝撃的コミック『翔んで埼玉』が実写映画となって登場。原作コミックは未完のままとなっているが、完成作を観た魔夜は「大満足。漫画の続きを描くとしても、映画に引っ張られてしまって描けない。この映画が完成したことによって、漫画は完全に完結です」と最大の賛辞を送る。ギャグと耽美性の融合した“魔夜ワールド”をスクリーンに出現させた武内英樹監督とともに、映画『翔んで埼玉』の“成功の鍵”について語り合ってもらった。
【写真】武内英樹監督&原作者・魔夜峰央、『翔んで埼玉』インタビューフォト
埼玉県人が迫害されている世界を舞台に、東京の名門校「白鵬堂学院」の生徒会長・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)と、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)が出会うことから物語はスタート。麗に心惹かれていく百美だったが、麗は埼玉の自由を願う“埼玉解放戦線”のメンバーだった…。
実写化の話が持ち上がった際には、「正気か? と思った」と笑う魔夜。「監督について聞くと、『テルマエ・ロマエ』や『のだめカンタービレ』を手がけている武内監督だと言うので、それならば大丈夫だと。完全にお任せして一切、口を出していません」と快諾したそう。映画では原作コミックの“その後”が大胆な解釈でつづられていくが、「自分が描いたとしてもこうなるだろうなと思った。感性が似ていると思いました」と文句ナシの“その後”だったという。
映画『翔んで埼玉』場面写真 (左から)麗役のGACKT、壇ノ浦百美役の二階堂ふみ (C)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会
武内監督は「本屋さんで手に取り、読んでみたらものすごく面白かった!」と原作との出会いを告白。「僕は千葉県出身なので、埼玉だけがこんな風に扱われているのが悔しくもあって(笑)。映画では、ぜひ千葉を忍び込ませたいと思いました」と千葉を登場させたオリジナル展開について、楽しそうに語る。とりわけ気に入っているのが「千葉県民と埼玉県人が、河を挟んで対立しているシーン」とのこと。「原作を読んで、対決シーンが思い浮かんだ。桶狭間の戦いみたいなことを、埼玉県人と千葉県民で“真面目に”やったら、めちゃくちゃ面白いと思った」。武内監督曰く、この“ギャグを真面目に”ということこそ、映画化成功のキーワードで「キャストの皆さんに言っていたのは、“大河ドラマだと思ってやってください”ということ。あり得ないことを“どマジ”にやるからこそ、面白いんです」と明かす。
壇ノ浦百美役を初の男役を演じる二階堂ふみ、アメリカ帰りの転校生・麻実麗役をGACKTという、パンチの効いたキャスティングも話題を呼んだ。武内監督は「原作がぶっ飛んでいるから、キャスティングもぶっ飛んだものにしないと乗り越えられない。麗役に“GACKT”という名前が出た瞬間、これだ! と思いました。二階堂さんは、芝居のうまさが決めて。百美について、他のキャスティング案は出ませんでした」と明かすと、魔夜も「二階堂さんとGACKTさんがやってくれるなら、この映画は間違いないと思った。麗役は、GACKTさん以外ではあり得ない。くだらないことを真面目にやって、ちゃんと作品として見せられるのはGACKTさんくらいでしょう」とキャスティングに大喜びだ。