サンドラ・ブロック、今の最優先は育児 素敵なプロジェクトは「大歓迎」
ひところに比べると、サンドラ・ブロックをスクリーンで見る機会が減った。2018年は『オーシャンズ8』があったものの、その前はなんと2013年の『ゼロ・グラビティ』だ。ふたりの養子を引き取って以来、母親業が彼女の最大優先になったせいである。嬉しいことに、Netflixが世界配信する『バード・ボックス』は、すべての条件がそろい、主演がかなった。
【写真】『バード・ボックス』ベルリンのプレミアに登場したサンドラ・ブロック
最初から最後まで緊張感たっぷりのSFホラー。ある日、人が次々、自分に害を与える行為に走り、命を失うという異常現象が起こる。それを見てしまった人もまた同じことをし、世界中で人が自殺するパニックが起こるのだ。
その5年後、主人公マロリー(サンドラ)は、ふたりの小さな子どもを連れ、舟でどこかへ逃亡しようとしている。旅立ちの前、彼女は、「何があっても絶対に目隠しをはずすな」など、子供たちにいろいろ言って聞かせるのだが、その口調は、子役が泣いてしまったのではないかと想像してしまうほど、きつく、厳しい。
「母親なら誰だって、子どもたちの命を守るためなら、あんなふうになるものよ。ああいうシーンの前、私は子役たちに、『これからやることの中で、私は、私本人じゃないからね。大きな声で喋るし、あなたの手をこんなふうにつかんだりもするわ。だけど、それはただのお芝居だからね』と説明したわ。リアクションが不自然になったら困るから、練習はあまりできなかったけれど、ありがたいことに、あの子たちは優秀だった」。
事件発生当時、マロリーは妊娠中だった。幸い、ある家にかくまってもらえることになると、そこにはもうひとり、オリンピアという名の妊婦(『パティ・ケイク$』のダニエル・マクドナルド)がいた。オリンピアはマロリーを慕ってくるが、マロリーが最も親しくなるのは、黒人男性のトムだ。トムを好演するのは、『ムーンライト』で大ブレイクしたトレバンテ・ローズ。ほかの“住人”も、ジョン・マルコヴィッチやジャッキー・ウィーヴァーのような大ベテランから、『ゲット・アウト』にユーモアを添えたリルレル・ハウリー、『アリータ:バトル・エンジェル』の主演に抜てきされたローサ・サラザールまで、実に幅広く、魅力的だ。