天国へ行った家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に…。
あてもない旅の道中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか…。
だがある日、広子が突然倒れ、入院することに。またしても一人ぼっちになった不安から、ハルはそのまま家に帰らず、目的もないまま、さすらいの旅に出る。
憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平(三浦友和)、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田(西田敏行)。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。なかでも、福島の元原発作業員・森尾(西島秀俊)との出会いは、彼女の心に大きな変化をもたらし、まるで導かれるように故郷・大槌町にある<風の電話>へと歩みを進める。
17歳の女子高校生ハル(モトーラ世理奈)は、東日本大震災で家族を失い、広島に住む心優しい伯母・広子(渡辺真起子)の家に身を寄せながらひっそりと暮らしていた。