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夏の夜にふさわしい! 小芝風花と妖怪たちが癒やしてくれる『妖怪シェアハウス』の魅力

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■“ホラー” + “コメディー” を支える強力な布陣

 澪の周囲の「上から男」として、澪をこきつかう編プロ社長には大東駿介、シェアハウスの大家で陰陽師の末えいの神主には今年年始放送の『教場』(フジテレビ系)での名演も記憶に新しい味方良介。「二股クズ男の元カレ」には、ブレイク前の中村倫也にも似た塩顔&ゆるい色気を漂わせる柾木玲弥。第2話(8月8日放送)ゲストで「在庫管理のエキスパート」として働くヒラヒラアイドル衣装の陽キャ「番長皿屋敷のお菊」には、陰と陽を瞬時にスイッチできる佐津川愛美と、脇の配役まで完璧な布陣となっている。

 ちなみに、脚本を手掛けているのは、『ケイゾク』『SPEC』『民王』などの西荻弓絵と聞くと、オカルト+コメディーがこなれているのは納得である。また、演出を手掛ける豊島圭介はドラマ『怪談新耳袋』や、知る人ぞ知る名作『怪奇大家族』、話題の映画『三島由紀夫vs.東大全共闘~50年目の真実~』まで手掛けた監督と知ると、その作風の幅広さに驚かされる。合間に挟み込まれる池谷のぶえのわらべ歌も、宇治茶による「ゲキメーション」(劇中昔話)もまた、真剣に遊び倒している。

 しかも、ともすればドタバタのネタドラマになりかねない作品なのに、一貫して描かれるのは「お岩さんの時代から現代まで変わらない、尽くす女の性やミソジニー的男たち」「お菊さんの時代から現代まで続くセクハラなど、仕事する女性の息苦しさ」など、結構重めのテーマでもある。そうしたテーマが息苦しくのしかかるのではなく、下世話になるのでもなく、楽しく優しいホラーコメディに仕上がっているのは、脚本・演出の確かさと、うまい役者しか出ていないためだろう。

 爽やかな味わいは、昨夏に同局で放送されたドラマ『セミオトコ』にも似たテイストである。人間×人間ならざるものの優しく温かな交流は、いつの時代も夏の夜にふさわしい。(文:田幸和歌子)

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