悲しい過去を乗り越えたキアヌ・リーヴス 気取らない性格で愛されキャラに
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■実は結婚歴なし 過去に悲しい別れも…
そんなふうに人間的にもとても魅力的なだけに、一度も結婚歴がないのは、やや意外なこと。かなり昔には、映画プロデューサーのデヴィッド・ゲフィンに気に入られているという噂が出て、ゲイ説も浮上したが、後にそれらは誤解と判明している。また、それより前の1999年に、彼は、交際した女性が彼の子を妊娠するも、死産してしまったという悲しみに直面している。この女性は、破局後しばらくして2001年に28歳の若さで事故死。この時、キアヌは『マトリックス』の撮影に入ろうとしている時だったが、心の傷を乗り越えるために、少し時間がほしいとお願いをしている。
身近な人を失う辛さは、『プライベート・アイダホ』で共演したリヴァー・フェニックスが1993年に薬物の過剰摂取によるオーバードーズで突然亡くなった時にも経験した。その時、フェニックスは、まだ23歳だった。
『マイ・プライベート・アイダホ』で共演したキアヌ・リーヴス&リヴァー・フェニックス 写真提供:AFLO
■遊び心が愛される秘訣
一方では、明るい話題もたくさんふりまくのが、彼だ。最も記憶に新しいのは、今年3月末の出来事だろう。サンフランシスコからL.A.に向かう飛行機が、ベイカーズフィールドに緊急着陸した時、キアヌは、整備が終わるのを待たず、バンでL.A.まで戻ることにしたのだが、そこにほかの乗客も乗せてあげたのである。2時間のドライブ中、彼は、見知らぬそれらの人々とおしゃべりをし、iPhoneで音楽をプレイしたりして、楽しく過ごした。それらの乗客にとっては、とんだ災難が最高の思い出になったわけだ。
そんなことが自分にも起こってくれないだろうかとファンならみんな望むところだろうが、それを待つ間にも、スクリーンでは、この後も彼に会える。『ジョン・ウィック』は、もう4作目にゴーサインが出ているし、『マトリックス』も、16年を経て4作目が製作されることになったのだ。ほかに、来年発売されるゲーム『サイバーパンク2077』にも本人顔で登場する。遊び心がたっぷりな彼のことだから、『いつかはマイ・ベイビー』でやったようなサプライズのカメオも、またどこかでやってくれるかもしれない。ずっとファンだった人も、今年新しくファンになった人も、彼を応援する理由は、これからますます増えていきそうだ。(文・猿渡由紀)