村上春樹から原作の映画化を依頼された名匠、映画化しなかった理由とは?
関連 :
女優のシャーリー・マクレーン映画デビュー60周年記念映画『トレヴィの泉で二度目の恋を』(1月31日公開)のメガホンを取ったマイケル・ラドフォード監督。これまで『イル・ポスティーノ』『ヴェニスの商人』など数々の傑作を生み出してきた名匠が、小説家・村上春樹本人から原作の映画化を依頼されていたという驚きのエピソードを明かした。
【関連】村上春樹原作、松ケン&水原希子らが出演した『ノルウェイの森』フォトギャラリー
以前から村上と親交があったというラドフォード監督は、「実は『国境の南、太陽の西』(村上7作目の長編小説)を映画化しないかという打診が彼からあったんだ」と告白。ところが、村上がアメリカでの撮影を希望したことから、話は頓挫してしまったという。「僕は(この小説は)日本的な作品だと思ったので、日本で撮るべきだと主張した。ほかにもいろいろあって実現はしなかったが、今でもやり取りしているよ」と、親交は続いていることを明言した。
また、ラドフォード監督は、村上以外に好きな小説家として、よしもとばななの名前を挙げ、日本の文化をとても気に入っている様子。今後、もしかしたら、思わぬ日本の小説がラドフォード監督によって映画化される日が来るかもしれない。
『トレヴィの泉で二度目の恋を』は、シャーリー&クリストファー・プラマーの2大オスカー俳優が共演する珠玉の恋愛映画。妻を亡くし、心を閉ざしてしまった堅物の老人が、陽気な隣人女性と出会い、やがてお互いに惹かれ合っていく姿をハートフルに描く。主人公が憧れるフェデリコ・フェリーニ監督の傑作『甘い生活』の名シーンが随所に登場し、ローマの名所や美しい景色も作品に彩りを添えている。