田辺桃子、尾野真千子らが出演、結城貴史が主演・監督を務めた日本・フィリピン合作映画『DitO（ディト）』より、ボクシングの“生きる伝説”マニー・パッキャオも登場する特報が解禁された。

　タイトル『DitO（ディト）』とは、フィリピンのタガログ語で「ここ＝here」の意。本作は、異郷で今を生きるための居場所＝「DitO」を求め、親と子の絆と成長を描く圧巻の人間ドラマだ。

　日本に妻子を残し、異国の地・フィリピンで再起をはかるプロボクサー神山英次。ある日、神山の前に一人娘の桃子が現れる。再会した父と娘は衝突しながらも徐々に親子の絆を深めていく。そんな中、40歳を迎えた神山に、ラストチャンスとなる試合の話が舞い込んでくる―。

　主演・監督を務めるのは、2001年NHK連続テレビ小説『ちゅらさん』で俳優デビューし、2011年に映像制作会社KURUWA.LLC（曲輪合同会社）を設立、数多くの映画やミュージックビデオを制作し、近年では国内外でプロデュース作品を手掛けている結城貴史。俳優としてもディズニープラスで独占配信中の田中泯主演オリジナルドラマ『フクロウと呼ばれた男』の主要キャストに名を連ねるなど、多岐にわたって活躍。初の監督作品となる本作では、落ちぶれても前を向き奮闘するボクサーを全身全霊で体現する。

　生き別れた父を探しフィリピンにやって来る娘の桃子には、この役の演技力が高く評価されローマやNYの国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した田辺桃子。また、神山の妻ナツを尾野真千子が演じる。

　このたび初解禁となった特報映像では、異郷で孤軍奮闘するボクサー・神山英次（結城）と家族をつなぐ言葉を、妻のナツ（尾野）と娘の桃子（田辺）が口にするシーンからはじまる。父と再会するため一人フィリピンを訪れた桃子が、ずっと抑え込んでいた感情を爆発させる姿など、鮮やかな色彩の街を背景に、不器用ながら父娘の関係を取り戻していく2人の心情の変化が切り取られる。

　主要なフィリピン人キャストとして、神山をサポートするジムトレーナーのシシ役に国際俳優モン・コンフィアード、ジムの若きエースボクサージョシュアにはパッキャオの半生を描いた伝記映画『キッド・クラフ　少年パッキャオ』でパッキャオの少年時代を演じて一躍脚光を浴び、現在ソーシャルメディア総登録数約950万人ものフォロワーを持つ人気YouTuberでもあるブボイ・ビラールらを紹介。

　また、本作が海外映画作品初出演となる、ボクシング界のフィリピンの英雄、マニー・パッキャオも登場。パッキャオ演じる世界チャンピオンのガブリエルが、ボクシングにとどまらず、プロバスケットボール選手、テレビ司会者、実業家、政治家と多種多様なジャンルに挑み続ける彼自身を体現する言葉「Age is Just a Number」を神山に投げかけるシーンで締めくくる、静ひつさのなかさまざまな感情が交錯する特報が完成した。

　なお本作は、昨年2023年9月にトルコで開催された第11回アンタキア国際映画祭で最優秀映画音楽賞受賞を皮切りに、11月フランス・パリで開催のPAMA Autumnでグランプリを受賞、同月イタリア・ローマで開催されたリエティ＆サビナ映画祭で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞の4冠に輝き、12月には南アフリカのエクルレニ国際映画祭で最優秀国際長編作品賞を受賞した。

　今年に入ってからは、1月にアメリカのルイジアナ州で開催された第19回シネマオンザバユーで最優秀作品賞を受賞、3月イギリス北西部の都市マンチェスターで開催されたマンチェスター映画祭2024で最優秀撮影賞を受賞。現地には、主演・監督の結城貴史と、一人娘の桃子を好演した田辺桃子がそろって登壇。田辺にとって初めての海外映画祭への参加となった。

　さらに、先ごろ開催された第13回ニューヨーク国際映画祭製作者フェスティバルでは、ローマのリエティ＆サビナ映画祭につづき、田辺桃子が2度目となる最優秀女優賞を見事受賞。国際舞台で熱視線を浴びている。

　映画『DitO』は、7月26日より全国順次公開。