『アデル、ブルーは熱い色』の女優アデル・エグザルコプロスが主演を務める、映画『パリ13区』の脚本を手がけた新鋭レア・ミシウス監督最新作『ファイブ・デビルズ』より、人気アーティストの我喜屋位瑳務と画家の榎本マリコが描き下ろした日本オリジナルのオルタナティブポスター2種が解禁された。

　アルノー・デプレシャン監督の『イスマエルの亡霊たち』、ジャック・オディアール監督の『パリ13区』、クレール・ドゥニ監督の『Stars at Noon（英題）』など、フランスの巨匠監督たちの脚本を手掛けてきたミシウスが、初監督作『アヴァ』に続いて監督長編2作目に選んだ題材は、香りの能力でタイムリープする少女とその家族の物語。第75回カンヌ国際映画祭監督週間においてクィア・パルムに選出された。

　嗅覚に不思議な力をもつ少女はこっそり母の香りを集めている。そんな彼女の前に突然、謎の叔母が現れたことをきっかけに彼女のさらなる香りの能力が目覚め、自分が生まれる前の、母と叔母の封じられた記憶にタイムリープしていく。やがてそれは、家族の運命を変える予期せぬ結末へと向かっていく―。

　主演は『アデル、ブルーは熱い色』で世界を魅了したアデル・エグザルコプロス。能力者の娘をもち、自身もある秘密を抱える母親役を熱演した。また、＜ファイブ・デビルズ＞という架空の村を舞台に35mmフィルムで描いた本作は、『ツイン・ピークス』『シャイニング』『アス』に影響を受けたというミシウス監督の言葉通り、それらをほうふつとさせる美しさと恐ろしさ、どこか懐かしさを持つ。随所にオマージュシーンも見受けられ、傑作スリラー作品へのリスペクトも見どころだ。

　このたび、日本オリジナルとなるオルタナティブポスター2種が解禁。人気アーティストの我喜屋位瑳務と、画家の榎本マリコが映画にインスパイアを受けて描き下ろした貴重なポスターとなっている。

　映画ポスターやCDジャケットなど、さまざまなアートワークを手がける人気アーティストの我喜屋位瑳務が手掛けたイラストは、主演のアデル・エグザルコプロス演じるジョアンヌが、水面に浮かぶジュリア（スワラ・エマティ）を優しく抱きかかえ見つめる姿を描き上げたもの。繊細な筆致が美しく、物語に秘められた「愛」を感じさせる作品だ。我喜屋は「この映画は予告篇を観た時の期待とは、いい意味で違った」と語っている。

　一方、韓国のベストセラー小説『82年生まれ、キム・ジヨン』の装画などで知られる榎本マリコは、“香り”の能力を持つ少女ヴィッキーの顔の中に、燃える鳥かごと山々に囲まれたファイブ・デビルズの湖が浮かぶ、怪しげな雰囲気をまとったイラストに仕上げた。榎本は「暗く重いカルマを断ち切るために、自ら火を放つ人々の姿をヴィッキーに重ね描きました」と絵を解説し、ヴィッキーの存在に強くインスパイアされたことを明かした。

　デザインを担当したのは、これまでにジャン＝マルク・ヴァレ監督作『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』やエミール・クストリッツァ監督作『オン・ザ・ミルキー・ロード』、今泉力哉監督作『his』などを手掛けてきたデザイナーの奥村香奈。個性あふれる2人のアーティストのイラストを、『ファイブ・デビルズ』の世界観に見事にまとめ上げた。

　映画『ファイブ・デビルズ』は、11月18日より全国公開。

　我喜屋位瑳務、榎本マリコのコメント全文は以下の通り。