大島渚監督伝説の2作品がよみがえる 『戦場のメリークリスマス』『愛のコリーダ』修復版予告
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4月に公開される、大島渚監督の最大のヒット作と問題作を初めてデジタル素材に修復した『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』『愛のコリーダ 修復版』の予告編が公開された。
【動画】『戦場のメリークリスマス』『愛のコリーダ』修復版予告
松竹ヌーヴェルヴァーグを生み、差別や犯罪など社会のひずみと闘い続けた映画監督・大島渚。彼の最大のヒット作『戦場のメリークリスマス』(1983)は、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、内田裕也など、本業が俳優ではない顔ぶれをメインキャストに迎え大ヒットした、戦闘シーンが一切登場しない異色の戦争映画。ボウイ演じる捕虜ジャック・セリアズ少佐に、坂本ふんするヨノイ大尉がいつしか引かれていく様や、粗暴なハラ軍曹(ビートたけし)と温厚な英国人捕虜ロレンス(トム・コンティ)の奇妙な友情など、東洋と西洋の文化の対立や融合を描く。
『愛のコリーダ』(1976)は、1936年に起きた実在の猟奇事件「阿部定事件」を題材に、松田英子と藤竜也が狂おしいほど求め合う男女を演じた恋愛映画。また、後に同名書籍を巡って裁判に発展するなど、大きな注目を浴びた問題作だ。
今回完成した予告編は、『戦場のメリークリスマス』(前半)と『愛のコリーダ』(後半)の2作を合わせたもの。
『戦場のメリークリスマス』の予告編は、「大島渚監督 最大のヒット作」という文字と共に、本作で初めて映画音楽を手掛けた坂本による名曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」が流れ出すところからスタート。続いて、「最高の映画監督が最高のシーンを撮るためにデヴィッド・ボウイが必要だった」(マーティン・スコセッシ)、「これは映画史上最高に美しいキスシーンだ」(ベルナルド・ベルトルッチ)、「私のお気に入りの1本だ」(クリストファー・ノーラン)といった、巨匠監督たちによる本作へのコメントと共に、ボウイ演じる捕虜ジャック・セリアズ少佐と坂本扮するヨノイ大尉の運命的な出会いの場面などが映し出されている。
『愛のコリーダ』の予告編は、松田演じる定(サダ)と藤演じる吉(キチ)が出会い、どんどん狂おしいほど求め合うようになっていく様を描いたもの。愛情が強くなればなるほど独占したくなる定と、そんな定を深い愛で優しく受け止める吉。そんな2人の姿と、『ミッドサマー』のアリ・アスター監督のコメント「『愛のコリーダ』に大きな影響を受けました」を収めた、センセーショナルな映像となっている。
今回の上映は、大島監督作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショーとして企画されたもの。後世に多大な影響を残した大島作品が鮮明になってスクリーンで観られる貴重な機会となる。
映画『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』は4月16日より、『愛のコリーダ 修復版』は4月30日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。