蒼井優×黒沢清監督『スパイの妻』、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品
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女優の蒼井優が主演を務め、俳優の高橋一生と共演する黒沢清監督最新作『スパイの妻』が、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることが決定した。
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NHK BS8Kにて6月6日に放送されたドラマの劇場版となる本作は、戦争という時代のうねりに翻弄(ほんろう)されながらも、自らの信念と愛を貫く女性の姿を描くラブ・サスペンス。蒼井がヒロインの福原聡子役を演じるほか、夫で神戸の貿易商・福原優作役を高橋、聡子の幼なじみで神戸憲兵分隊隊長・津森泰治役を東出昌大、優作のおいで優作と共に満州に渡る竹下文雄役を坂東龍汰が、それぞれ演じる。
現地時間9月2日から12日まで行われるヴェネチア国際映画祭は、カンヌ、ベルリンと並ぶ世界三大映画祭のひとつであり、世界最古と呼ばれる歴史深い映画祭。そのメインであるコンペティション部門には、毎年各国の実績ある監督たちが名を連ね、近年で主要賞を獲得しているのは『ジョーカー』(2019)、『ROMA/ローマ』(2018)、『女王陛下のお気に入り』(2018)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)など、ヒット作でありながら芸術性も持ち合わせた作品ばかり。
これまで数々の国際映画祭で受賞を重ねてきた黒沢監督は、同映画祭との縁も深く、『叫』(2006)、蒼井も出演した『贖罪』(2012)に続き3度目の出品となるが、コンペティション部門に選ばれるのは本作が初となる。
一方、蒼井は『斬、』(2018/塚本晋也監督)以来2年ぶりのコンペ出品。高橋は、出演作が世界三大映画祭に出品されるのは初めて。
蒼井は「黒沢監督おめでとうございます。今回は残念ながら現地に伺うことが叶いませんが、会場の皆様にお会いできなくても、想いは通じると信じています。誰かの明日へつながる1本になればと心から祈っております」、高橋は「この時代にこの作品で、このキャストスタッフの下、黒沢組に参加出来た事が夢のようですが、その上にまた、ヴェネチア国際映画祭に参加するという嬉しい知らせを頂きました。より多くの方々に観ていただければと思います」とそれぞれコメント。
黒沢監督は「嬉しい、と同時にたいへん緊張しています。1940年代の日本を生きた夫婦の姿が海外の人の目にどう映るのか、今は予想もつきません」とメッセージを寄せた。
映画『スパイの妻』は10月16日より全国公開。