巨匠フランシス・フォード・コッポラがベトナム戦争の闇を描いた戦争大作映画『地獄の黙示録』を新たに再編集・デジタル修復した最終版『地獄の黙示録　ファイナル・カット』が、2020年2月28日より全国IMAXにて期間限定上映されることが決定。メインビジュアルと特報映像が解禁された。

【写真】『地獄の黙示録　ファイナル・カット』場面写真とフランシス・フォード・コッポラ監督

　本作は、『地獄の黙示録』製作から40年を経て、自分の好きなバージョンを作りたいと考えたコッポラ監督が、1979年の劇場公開版より30分長く、全てを盛り込んだ2001年の特別完全版より20分短いバージョンに再編集し、新たにデジタル修復したもの。コッポラ自身、最も満足できるバージョンだと断言している。

　映像は撮影時のオリジナル・ネガフィルムを初めて使用し、音声は劇場公開版のプリントマスターを使用。いずれも独自のIMAX DMR (Digital Media Remastering) 技術でデジタルリマスターされ、コッポラが長年望んでいた没入感や臨場感を実現した。細部までくっきりと映し出される明るくクリアな映像と、ヘリコプター、投げやり、ナパーム弾、爆発などの超低音が内臓を揺さぶる、迫力あるサウンドを体感できる。

　『地獄の黙示録』は、ベトナム戦争下、カーツ大佐暗殺の特命を受けたウィラード大尉が部下との船旅で遭遇する体験を、CGなしで壮大なスケールで描き、マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュヴァル、ローレンス・フィッシュバーン、ハリソン・フォード、デニス・ホッパーら豪華キャストが出演。製作費は約90億円にまで膨れ上がり、コッポラは『ゴッドファーザー』の成功で得た私財を投じるほど人生を捧げた作品だ。

　同作はカンヌ映画祭パルム・ドール、アカデミー賞撮影賞＆音響賞を受賞。後の1980年代にベトナム戦争映画が多く作られる先駆けとなり、世界の映画監督358人が選ぶ「オールタイム・ベスト50」第6位にランクインするなど、今なお戦争映画の傑作として名高い。日本では1980年2月に公開されており、2020年2月で40周年を迎える。

　このたび公開されたメインビジュアルは、映画ファンから絶大な人気を誇る米国のグラフィック・デザイナー集団、MONDOが制作したアートワークを使用。沼から出ているマーティン・シーンの顔と上下対称に、マーロン・ブランドの顔が水面に映っているデザインが印象的だ。また、特報には、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」にのせて、見応えある戦闘シーンが収められている。

　映画『地獄の黙示録　ファイナル・カット』は、2020年2月28日より全国IMAXにて期間限定公開。