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池上彰、キーファー・サザーランド主演『サバイバー』の“指定生存者”を解説

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キーファー・サザーランド主演『サバイバー』の“指定生存者”を池上彰が解説
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 TVシリーズ『24 ‐TWENTY FOUR‐』のキーファー・サザーランドが主演を務める『サバイバー: 宿命の大統領』が、12月4日(火)22時からスーパー!ドラマTVにて日本初放送される。本作は、テロによって全閣僚が死亡し、キーファー演じる住宅都市開発長官のトム・カークマンが“指定生存者”として、急きょ、大統領に就任。隠された陰謀を暴き、国と家族を守る姿をスリリングに描く。アメリカで実際に存在し、ドラマの題材となっている“指定生存者”とは一体何なのか。ジャーナリストの池上彰氏が“指定生存者”について、またアメリカと日本の危機管理についても解説してくれた。

【動画】キーファー・サザーランド主演『サバイバー: 宿命の大統領』予告映像

 『サバイバー: 宿命の大統領』は、大統領が行う一般教書演説の日から始まる。その日は、大統領を含めた重要閣僚たちが連邦議会議事堂に集まり演説が行われるが、演説の最中、何者かによって議事堂が爆破され、一堂に会していた議会と内閣は壊滅状態となる。上位の政治家全員の死亡が確認され、「指定生存者」として議事堂から離れた場所で待機していたトム・カークマンは、自動的に大統領に任命される。不安定になった政情の中で、カークマンは大統領として国を導く責務を背負いながら、抵抗勢力との圧力にも屈せず、爆破犯を探し出すことに奮闘するが…。

 池上氏は、アメリカは「大統領に、もしものことがあったらどうするか」という非常事態に備え危機管理が徹底しているという。「たとえば大統領と副大統領が同じ飛行機に乗ることはない。大統領専用機が墜落する可能性があるからだ。副大統領に何かがあったときは下院議長、次は……というように17位までの継承順位が決まっている」。

 しかし、本作のように大統領と副大統領、下院議長が一緒にいなければならない状況が、一般教書演説だ。池上氏は、「いわば大統領による施政方針演説に該当し、大統領が議会に協力を求める。議会の下院議長も上院議長も出席する。実は上院議長は副大統領が務めるので、正副大統領が同席することになる。施政方針演説だから、大統領を支える各省の長官たちも出席する。もし、ここで何かあったら……。かくして“指定生存者”が指名され、大統領の演説中は議会から離れた場所で待機する。アメリカの危機管理の様子がよくわかる」と解説する。

 一方、日本では「その点が心もとない」と明かす池上氏は「問題点が明らかになったのが、2000年4月に小渕恵三総理が倒れて入院した際のこと。総理大臣の臨時代理が指定されておらず、青木幹雄官房長官が『入院中の総理から代理に指名された』と言って臨時代理に就任したが、小渕総理が意思表示できる状態だったのか疑義が呈された。これ以降、内閣が組織される際には、総理大臣の臨時代理の就任予定者5人が順位をつけて指定されることになった」という。

 池上氏によると、総理大臣の臨時代理について、現在は麻生太郎財務大臣が副総理として第1位であり、続いて菅義偉官房長官、茂木敏充経済財政政策担当大臣、河野太郎外務大臣、根本匠厚労大臣の順となっているというが、「ただし、決まっているのは5人まで。このドラマのようなことが起きたらどうするのか、という声が高まりそうだ」と語っている。

 『サバイバー: 宿命の大統領』は、海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVにて12月4日(火)22時より日本初放送スタート。

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