中山優馬が、直木賞作家・石田衣良が“デビュー15周年の結論”と自負する渾身作『北斗　ある殺人者の回心』の連続ドラマ化に主演することがわかった。映画『脳男』、『グラスホッパー』の瀧本智行監督がメガホンをとり、『連続ドラマW　北斗－ある殺人者の回心－』として映像化される。

　1997年に『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー後、2003年に『4TEEN』で直木賞を受賞し、ベストセラーを多数発表してきた石田。“デビュー15周年の結論”と自負し、2012年に発表後、第8回中央公論文学賞を受賞した『北斗　ある殺人者の回心』。孤独な殺人者が生まれるまでの若者の内面に深く切り込み、そのセンセーショナルな内容から映像化が難しいとされた本作を、WOWOWが連続ドラマ化する。

　「僕を、死刑にしてください──」2016年3月、殺人犯として勾留されている端爪北斗（中山）は、国選弁護人の高井聡一にそう言い放つ。実の親から激しい虐待を受け、愛に飢えた少年時代を過ごした北斗はやがて養護施設に入ることに。そこで里親となる近藤綾子に出会い、初めて“愛”というものを知る。幸せを少しずつ感じることで心の闇から解放され、生まれ変わっていく北斗。しかし、運命のいたずらはまだ彼を解放してはくれなかった……。孤独な殺人者が生まれるまでを、登場人物たちの運命とともに、悲しくも力強く描いた衝撃作だ。

　両親から虐待を受け、誰にも愛されたことがなく、いつしか心の奥に“闇”を抱え、運命のいたずらにより殺人者となってしまう主人公・北斗を、中山が体当たりで演じる。主演をオーディションで勝ち取った中山は、役作りのために約12kg減量し、殺人者の心情を体現。断髪し、これまでアイドルとして培ってきたビジュアルを捨てて挑んだ。

　中山は「初めて北斗と出会い、改めて台本を読んだ時最初に『背負いきれるか』という心配がありました」と振り返る。だが、「こんなに素晴らしい作品が自分の手の届くところにあると思うと身震いが止まらくて…」と言い、俳優として相反する気持ちが生まれていたことを正直に明かす。本作について「確かに目を覆いたくなるくらい辛いシーンもたくさんあります。それでも、どうか、端爪北斗の人生を最後まで見届けてください」とアピールした。

　土曜オリジナルドラマ『連続ドラマW　北斗－ある殺人者の回心－』は、WOWOWにて2017年3月より毎週土曜22時スタート（全5話）。