【解説/みどころ】
10歳の少女・安本末子の綴り方(=日記)の映画化。昭和28年の春、不景気に覆われた佐賀県の小さな炭鉱町を舞台に、父母のいない4人兄弟が、貧しくてもけなげに生きる姿を描いている。今村監督の演出は重厚なリアリズムで貫かれていて、観客の涙を誘うようなセンチメンタルな描写を回避している。現地ロケをいかして、炭鉱町に生きる人々の姿を鮮やかに捉えている。栄養失調になりながらも明るく元気な末子を演じる前田暁子をはじめ、子役たちの好演も印象深い。今村監督はこの作品で文部大臣賞を受賞したが、このような賞をもらってはいけないと自戒し、「豚と軍艦」を製作したという。
- キャスト
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長門裕之/
吉行和子/
二谷英明/
松尾嘉代/
沖村武/
前田暁子/
北林谷栄/
小沢昭一/
- スタッフ
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監督:
今村昌平
脚本:
今村昌平
池田一朗
原作:
安本末子
- 上映時間・制作年
- 101分/1959年
- 制作国
- 日本
- 配給
- 日活