【解説/みどころ】
この作品の前年、市川崑はtv『木枯し紋次郎』の演出・監修を手掛けているが、本編はある種のヒーローであった“紋次郎“とは違い、どん底にいながら成り上がろうとあえぐチンピラ渡世人3人の青春を描いたもの。とはいえ、片意地はっていても、空腹と貧乏を友とする旅がらすの生活をリアルに描いている点は“紋次郎“に通じるものがあろう。渡世で名を売ろうとする源太、信太、黙太郎は、父を斬り、惚れた女を売り飛ばすなど、およそ人の道からはずれた旅を続け、みじめな死を迎える。主演の萩原、小倉、尾藤の取り合わせが絶妙で、1970年代初頭のシラケ世代の若者像とダブリ、姑息なタイプのアウトローとして異彩を放っている。
- キャスト
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萩原健一/
小倉一郎/
尾藤イサオ/
井上れい子/
常田富士男/
加藤嘉/
大宮敏充/
- スタッフ
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監督:
市川崑
脚本:
市川崑
谷川俊太郎
- 上映時間・制作年
- 96分/1973年
- 制作国
- 日本
- 配給
- ATG=市川プロ