峯岸みなみ、実は根が真面目 30代は「人間的に面白くなりたい」
――2021年はAKB48卒業という大きな節目の年でした。卒業からの7ヵ月はいかがでしたか?
峯岸:まだ卒業から一年経ってないんだっていうくらい、目まぐるしく、あっという間でした。卒業した後、休んだりゆっくりしたりするのかな?と思ってたんですけど、ありがたいことにお仕事をいっぱいやらせていただいて。実はバラエティーはすごく楽しいんですけど、芸能界を長くやっていきたいので、いま身を削りすぎてこの先大丈夫かな…と卒業後ちょっと迷路に迷い込んでいる自分もいたのですが、河原さんがバラエティーを見て今回のオファーを出してくださったそうなんです。何事も全力で頑張っていればまた何かにつながっていくんだな、って思えて、すごくうれしかったです。
――デビューから16年が経ちますが、峯岸さんにとってターニングポイントになった作品は何でしょう?
峯岸:15歳くらいの時に『メン☆ドル』(テレビ東京系)っていうノースリーブスの3人が男装してアイドルデビューするっていうドラマで、ロリータの天然ちゃんというか、ぶりっ子の役をやったんです。それがすごく楽しくて! まったく違う自分になれて、しかもそのドラマで私のことを好きになってくれた人が握手会に来てくれて、役と実際の私のギャップに驚いてくれた時に、“演じるっていうのはすごく面白いんだ!”と演技に興味を持ちました。
――では、これからも女優さんとしての活動も積極的に続けていきたい感じですか?
峯岸:正直、『メン☆ドル』以外、出演した作品の中で自分のお芝居がよかったなとか、手ごたえを感じることがあまりなくって。ですけど、趣味や夢中になれることもほとんどなく、AKB48が唯一それだった私の人生で、自分って何が好きなんだろう、何をしている時に時間を忘れられるんだろうって考えた時に、舞台はお稽古から本番までずっと通して、夢中になれるものだったんです。人生で悩んでる時とか落ち込んでいる時によく舞台を観に行ってたんですが、観る側としても舞台には夢中になれて、いざステージに立つ側の人間になってもそれは変わらなくて、人生で初めてできた夢中になれるものっていう感じですね。なので、機会があれば絶対挑戦したいです。
――『女子メンタル』での峯岸さんの頑張りも印象的でした。
峯岸:あの番組はとにかく緊張していて、最初は闘うというか、負けないように、面白い自分でありたいって思っていたんですけど、始まったらそっちの意識よりも、みんなでこの場をどうするかみたいな、チーム戦みたいな感覚になったんですよね。優勝した時もうれしかったですけど、この時間を面白い、より実りのある時間にしなきゃっていう意識が、皆さんの中に見えたこともうれしくて。あのメンバーで力を合わせて勝ち取ったっていう、部活みたいな気持ちでした。初回で何も分からない中で、基本的に目の前の人は笑わないので、正直、“これ誰に受けてんのかな、大丈夫か?”ってやりながら思ってたんですけど、終わった後に松本(人志)さんに“めっちゃおもろかったな”みたいに言われて、あ、これでよかったんだって。
――2022年、峯岸さんは30歳を迎えられます。どんな30代を迎えたいという思いがありますか?
峯岸:面白くなりたいです。お笑い的な面白さももちろんですけど、人間的に面白いって思われたいんです。けど、自分の真面目なところや日本人的な遠慮とかがすごく邪魔するんですよ。だから、30歳からは、そういう気を遣ったり嘘をついて遠慮するというのを取っ払いたいなって。この作品で2022年がスタートするっていうのは、自分の憧れていた30代に行くルートとして一番いいスタートの切り方。この作品で感じた自由さや面白さを引っ張りつつ30歳になることが楽しみですね。少数派になったとしてもそこを怖がらずに、私はこうです!って声を大にして言える30歳になりたいなって思うので、少数派万歳!のリハビリの一歩のつもりで楽しみたいです。(取材・文:編集部 写真:高野広美)
パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』は、東京・PARCO劇場にて2月12日~28日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて1月20日~23日、広島・上野学園ホールにて1月29・30日、北九州・北九州芸術劇場大ホールにて2月4日~6日上演。※最新スケジュールは公式サイトでご確認ください