永野芽郁、女優10年以上のキャリアも「最近臆病になりました」
◆自身が思う“本当に”強い女性とは
リアルにけんかが強くなれた気分になれた永野だが、“本当に”強い女性とは「何事にもまっすぐで、柔らかくいられる人」と話す。「人ってどうしても気が立つことがあるし、思うようにいかなくて落ち込むことも絶対あるはずなのに、それを自分のなかで消化して、常に柔らかくいられる人というのは、すごく強いし、すてきだなと思います。理想の女性像ですね」。
そして「いつかそういう女性になれるように、いろんなことを経験していきたい」と前を向く。「今までとは全く違う役どころだった」という本作も、新たな経験となった。さらに「アクションあり、コメディーありの、こうしたぶっ飛んだ世界を経験したからこそ、“人を楽しませる”ことの楽しさを再確認しました。私はこの先もそれができる女優さんになりたいし、そう居続けられたらと」と目標を語り、「『地獄の花園』から、またひとつエネルギーとして大きなものをもらえました」とほほ笑んだ。
◆女優10年以上のキャリアも「最近臆病になりました」
思いを新たにした永野だが、そのキャリアは21歳にして10年以上を誇る。本作のオファーが来た際、脚本を読む前に「やりたい!」と即決したことからも伝わるが、自分の性格を「石橋を叩く前に渡るタイプ。何事も『イケるでしょ!』みたいな感じで」と笑い飛ばす。しかし同時に、こと女優業に関しては、「ここ最近、臆病になった」と漏らした。
「怖いなと思うことも増えたし、『果たして自分でいいのだろうか』と弱気になることも増えました。年齢を重ねる分だけ、何かしら経験もしていて、そのことで少しずつ余裕が出てきた部分もあれば、逆に不安になることも増えるものなんだと実感しています」と、葛藤を素直に明かす永野。
だがその不安は、着実に、変化、進化している証に違いなく、不安と比例して、きっと「強さ」にもつながっていくはずだ。さらに永野には「仕事をすればするほど、自分より先を生きている先輩たちに会えるので、その方たちの姿を見て勇気をもらいますし、自分はこうなれるだろうかと発破もかけられます」と言える先輩たちがいる。
「とにかく昔より、いろんなことを考えるようになりました」と口にしつつ、最後は力強くこう気持ちを示した。「ただ、お芝居が好きという気持ちは変わりません。昔からずっとあるし、その気持ちを持ちつづけていれば、きっと強くなれるんじゃないかと思います」。きっとこれからも永野は、自分らしい、まっすぐで柔らかな強さを身に付けていってくれるだろう。(取材・文:望月ふみ 写真:ヨシダヤスシ)
映画『地獄の花園』は5月21日より公開。