竹内結子、「おばさん」扱いを楽しむ 背伸びしない30代の生き方
「“おばさん”じゃなく、あくまでも戸籍の上での“叔母さん”ですからね!」。そう強調する口ぶりがなんとも楽しそうだ。女優の竹内結子が映画『旅猫リポート』で演じるのは、福士蒼汰扮する主人公・悟の叔母で、両親を亡くした彼を引き取る法子。オファーが届き「福士蒼汰くんの叔母? そうか、私も大人になったなぁ…と(笑)」と思ったという竹内に“大人”の人生の楽しみ方を聞いた。
【写真】竹内結子インタビューカット ほか映画『旅猫リポート』場面写真
原作は『図書館戦争』『三匹のおっさん』など著作が次々と映像化される人気作家・有川浩の作品群の中でも1、2を争う人気小説。やむにやまれぬ事情で猫のナナを手放すことになった青年・悟の新たな飼い主探しの旅を描く。
竹内が演じる法子は親戚の反対を押し切り、事故で両親を亡くした小学生の悟を引き取り、彼を育ててきた。竹内はそんな法子を「責任感が強い、まっしぐらな人」と評す。「姉(※悟の母/木村多江)、お義兄さん(橋本じゅん)の思いをくんで…、何より悟が親戚から疎まれるのが許せなかったんでしょうね。半ば勢いだったのかもしれないけど、結果的に悟がいたことで、法子もちゃんと生きていけたんじゃないかと思います」。
当然といえば当然だが、福士演じる悟は竹内扮する法子を「おばさん」と呼ぶ。「台本を開いたら、福士くんのセリフのあちこちに『おばさん』『おばさん』ってあって(笑)。一度、現場でボソッと『これ、別に“法子さん”でもいいんじゃないですかね?』と言ったんですけど、誰も聞いてくれないんですよ! スーっとそんな発言なかったことに…」と苦笑しつつ「いいんです。巷の中学生にとっては私は十分、“おばさん”ですから。最初の何回かは、スタッフさんも『いいのかな? 怒ってないかな?』って顔してましたけど(笑)。でもね、福士くんの『おばさん』と言う口調が本当に優しい響きを持っていて、あぁ、これは信頼の証と受け止めればいいんだなって思えました」と笑顔を見せる。