佐久間由衣、和久井映見からの金言に感謝「日々を幸せに生きること」
「ViVi」の専属モデルを経て女優として連続テレビ小説『ひよっこ』で有村架純扮するヒロイン・みね子の親友役を演じ、大きな注目を集めた佐久間由衣。現在は7月放送の連続ドラマ『チア☆ダン』の撮影で、同年代の女優たちと充実した日々を過ごしているという佐久間に、女優という仕事への思いや、自身を作り出す根幹となっているルーツについて聞いた。
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『ひよっこ』のオンエアが終了してから、約8ヵ月の月日が流れた。佐久間は改めて、当時を振り返り「『ひよっこ』の現場は、みんながアイデアを持ち合って、監督もスタッフさんもそれに向き合ってくださる雰囲気がありました。だから思い切りぶつかっていけたし、砕けても、めげずにいろいろなチャレンジができました。スタッフさん共演者の方々を信じることの大切さ、お芝居は一人でするものではないんだということを強く実感しました」と学びの多かった現場だったことを明かす。
朝ドラで得たことは、他の現場でも大いに役に立っているという。特に現在撮影中の『チア☆ダン』は、同年代の女優たちが数多く出演し、ダンスを通した連帯感も求められる。佐久間にとっては「共演者を信じること」は、作品を成功させるうえでは欠かせないことだと強く感じている。
さらに『チア☆ダン』では、いままでとは違うアプローチ方法が求められているという。「これまでの私は、悪い意味ではないのですが、自分のなかで、空回りをして力が発揮できなくなるなら、自然体で挑もうと少しブレーキをかけていたんです」と語ると「でもこの作品では、ダンスを覚えなくてはいけないという大前提があり、福井の方言もある。学園ものも初めて。とにかくなりふり構わずやらなければ、皆さんの足を引っ張ってしまうという危機感があります。いままでのやり方では通用しない。失敗しても恥をかいても、無茶してでもやり切ろうという泥臭い思いで臨んでいます」と新たなる自分を模索中のようだ。
また「自分が幸せでいること」というのも女優業をやるうえで、大切にしていることだと佐久間は強調する。「『ひよっこ』の現場で、私が少し意気込み過ぎているとき、大先輩の和久井映見さんが『悲しいことや辛いことはお芝居でできるけれど、幸せの感情は、本人が幸せじゃないと出せないから、いつだって自分が幸せでいることを大切に選択していってほしい』と声をかけてくださったんです。その言葉を聞いて肩の力が抜けました。日々をちゃんと生きることの大切さを教えていただきました」。
人との出会いで多くのことを吸収しながら女優業をまい進する佐久間。「過去はあまり振り返ることがない」と話していたが、小学生時代は、金子みすゞや谷川俊太郎、宮沢賢治などの詩にはまり、中学時代は一転、バスケットボールと駅伝に明け暮れる体育会系女子に、そして高校時代にはまた大きな変化を遂げたという。
「中学で部活をやり切った感があったので、高校に入ってからは、バイトをしたり友達と遊んだり、カラオケをしたり、容姿も派手にしてました。でもそれも高校2年のとき、太宰治に出会い『もういいかな』と感じたんです。そこから中学のころに戻ろうと、髪の毛も化粧も普通に戻して、現在に至るという感じです」。
文学少女から、体育会系女子、そしてギャルを経て太宰治…。「こうした多感な時期にいろいろな経験をしたことが、女優としての表現方法に生きるのでは?」という問いには「どうなんでしょう…あまり過去には立ち戻らないので」とクールな一面をのぞかせつつも、すぐに「なんか格好つけすぎですね」はにかむなど、噛めば噛むほど味が出る、今後が楽しみな女優だ。(取材・文・写真:磯部正和)
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