豊川悦司、粘着質な上司を“男色”風に演じる『パンク侍、斬られて候』
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そして「そうしているうちに、僕が考えている内藤像ももう少しデフォルメしてもいいのかなと考えました」と豊川。「本を読んだときに、内藤には少し男色の気があるのかなと思っていて、主人公の掛とのやり取りをみても、単純に、掛が“好みのタイプ”なのでは? と考えたのです(笑)」と語り、「でもやり過ぎるとバランスを崩すので、ちょっと匂いが感じられるくらいのレベルで、メイクさんや監督と相談しながら演じていました」と明かした。
本作の石井監督と豊川は1994年の映画『エンジェルダスト』以来のコラボレーション。石井監督は豊川のキャスティングについて「主人公の掛十之進という、超人的剣客が越えられない圧倒的な壁と得体の知れない怖さが出せて、かつチャーミングな演技ができる人物。そう考えたら豊川さんしかいませんでした」と明言する。
豊川自身は「石井監督が僕のことを覚えてくれていて本当にうれしかったのですが、僕から何を感じて内藤役を充ててくれたのかな? と最初は思いました(笑)」と戸惑いを明かすが、『エンジェルダスト』で“両性具有のキーパーソン”という難役をあてがった石井監督の見立ては確か。爆発的な世界観を謳う『パンク侍』の中でも、豊川の魅力は確かに“爆発”している。
映画『パンク侍、斬られて候』は全国公開中。