『不発弾』椎名桔平、ダークな主人公役に自信「共感できないところは何もない」
1500億円もの不適切会計の裏で暗躍し、激動の金融界を生き抜いた男の姿を描いた社会派ヒューマンサスペンス『連続ドラマW 不発弾 ~ブラックマネーを操る男~』。大企業を裏で動かすダークな主人公・古賀遼を演じるのは椎名桔平だ。「企業ものではあるけれども、とても深い人間ドラマ。そこに惹かれた」と本作の魅力を語る椎名が、役柄への思いを語った。
【写真】『連続ドラマW 不発弾 ~ブラックマネーを操る男~』場面写真
本作は、食肉偽装問題が題材の『震える牛』など、社会の闇をえぐり出す小説で注目を集める相場英雄の小説『不発弾』をドラマ化した作品。主人公・古賀と捜査二課の対峙、バブル期から現代に生きた強欲な権力者たちとの駆け引き、過去の因縁、裏切りなど、古賀を取り巻く人間模様を骨太に描く。
椎名が演じる古賀は、貧しい炭鉱町で育ち、東京の証券会社に入った男。ある出来事を機に、欲深い人間たちへの復讐を始め、証券業界ひいては経済界の影の立役者にのし上がっていく。椎名は「恵まれない環境から成長していくという主人公はあまり振られない役どころなので新鮮でした。こういう男がいたらエールを送ってあげたいと思った」と自身の役柄を振り返る。
古賀は、ブラックな要素のある悪人とも言われるキャラクターであるが、「社会の中で存在してはいけない悪と、資本主義の中で必ずや存在するであろう悪は、少し種類が違うと思うんです。古賀の場合は、世間の波に巻き込まれてそういう立場にいる」と見解を話し、「僕と違うところだらけだけど、共感できないところは何もない。だから、(演じることに)自信を持っています。(演じる上で)僕たちは共感しようと思って、ああだ、こうだと考えるんだけれども、共感できないところがない役に出会うということはとても幸せなことなんです。喜びを噛み締めて演じています」と真摯に語った。