『キングスマン』アクションの源流はジャッキー・チェン!? 坂本浩一監督が裏側を検証
英国スパイ組織の活躍を描いた大ヒットシリーズ第2弾映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』。冒頭からアクセル全開のキレッキレのアクションで映画ファンの心をわしづかみ、世界71ヵ国でNO.1を記録した。とにかく目を疑うアクロバティックなバトルシーンの連続、いったいどんな手法で撮影されたのか?日本のみならず、『リーサル・ウェポン4』や 米国版『パワーレンジャー』シリーズなどハリウッド作品でスタントやアクションコーディネーターとして実績を持ち、日米のアクションに造詣が深い坂本浩一監督(『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』ほか)に検証していただき、プロの目から見たみどころシーンなどを語ってもらった。
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本作は、世界最強の英国スパイ組織“キングスマン”の活躍を描く大ヒットシリーズ第2弾。謎の組織"ゴールデン・サークル"によって、ロンドンの本拠地を壊滅された英スパイ組織“キングスマン”のエグジーとメカ担当のマーリンは、敵を追求するために、同盟組織“ステイツマン”の協力を求めてアメリカへ渡る。
ーこれまで数多くの作品でアクション映画を手がけてきた坂本監督にとって、本作のアクションの魅力とはどういった点にあると思いますか。
坂本監督:基本的にアメリカ映画は、何台ものカメラで、同じアクションを多数のアングルで押さえ、編集でリズムやテンポを変えて作り込んでいくんですが、『キングスマン』は、カットごとにデザインされたショットを撮影し、アクションを構成していくというユニークな方法を取っています。さらに、何カットかに分けて撮った映像をデジタル合成でつないでいき、“ワンカット”として迫力ある映像で見せるというやり方も凄いですよね。例えば、1作目なら教会の中での大虐殺のシーン、本作なら冒頭のカーチェイスや終盤のダイナーでのバトルシーンがそうですね。まさにオリジナリティに富んだ"キングスマン・スタイル"と言えます。
ー本作の数あるアクションシーンの中で、プロの目で見て「ここは凄い」というシーンはどこですか?
坂本監督:オープニングとエンディングをガッツリ見せるというアメリカ映画によくある演出法で作られていますが、やはり冒頭のカーチェイスと終盤のダイナーでのバトルは凄いものがありますよね。とくにカーチェイスは画期的!超至近距離の狭いスペースでの格闘を、カメラが縦横無尽に動き回って撮影し、ヴィジュアル・エフェクトを使ってワンカットで見せたりしているんですが、入り込めない部分は、ドアなどを取り払った別撮り用のクルマをもう1台用意して、グリーンバックで撮って、背景はCGで作り込んでいますね。