池田純矢、若きエンターテイナーが魅せる舞台 “演劇とは娯楽であるべき”理念に迫る
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前作のテーマもSFであり、本作のテーマもSF。SF=宇宙が好きなのだろうか。「前作は自分が書いた小説を元に上演台本として直したので、とてもコンパクトになり、描き切れなかった部分がたくさんありました。その心残りがあったので、心残りがあるまま次に進むのもどうかと思ったんです。そのため、同じSFというテーマで勝負しようと思いました」と力を込める。
ストーリーについて話しを聞くと、これまで淡々と話す印象だった池田のこだわりが見えてくる。「毎回、書くときは学問的な要素を入れる」という池田。「前作は宇宙工学と物理をメインに、今回は化学と科学。そして裏テーマとしてのメッセージもあります」と話し、加えて「言わせたいセリフがどうしてもあって…」と続ける。これらを物語として紡ぎ、カチッとハマったのが本作のストーリーというわけである。
脚本を書き、演出もやり、俳優として演じる…バイタリティ溢れる池田。その根幹にあるのは「ただ単純に娯楽が好き」ということ。「このお仕事に就く前から映画は好きですし、アニメの声優をやるからアニメも好きで、今でも見ます。関わっているからこそ、作り手側との知り合いは多くなっていきますが、作品の見方は変わらないです。好きだから物語を見ているだけです」。“好きだから”、単純だからこそ簡単に口に出してはいえない理由を楽しそうに語る池田の姿に、今後の活躍を期待せずにはいられない。(取材・文・写真:ほりかごさおり)
『エン*ゲキ#02「スター☆ピープルズ!!」』は、2017年1月5日から11日まで新宿東口・紀伊國屋ホールにて上演。