片岡愛之助、楳図かずおの明るさにドキドキ!?「ホラーになるのか心配でした(笑)」
関連 :
漫画界の鬼才・楳図かずおが、77歳にして初監督として挑んだ映画『マザー』。作中ではドラマ『半沢直樹』でブレイクした歌舞伎俳優・片岡愛之助が楳図役を演じ、数々の漫画作品と通ずる“楳図ワールド”が展開される。本作の見どころはもちろん、“遊びの極致”と語る監督自身のホラー観、そしてトレードマークであるボーダー柄まで、息の合った監督と主演の2人が語る。
【関連】『マザー』片岡愛之助&楳図かずお監督インタビュー フォトギャラリー
「ある時引っ越しすることになって、溜まっていた服とか本をみんな捨てたんです。それで最後に残ったのが何なのかと言ったら昔話と童話の本が残って、これって僕の本質なんだなと。お話がくっきりしていて、結末がスッと出てきて、どんでん返しの驚きがある。そういうものがいいなと思います」。
ホラー漫画の巨匠である楳図監督はこのように語り、自身の好きな映画として『ローマの休日』『サウンド・オブ・ミュージック』といった王道作を上げる。
「台本を読ませて頂いて、本当にストーリーがしっかり、きっちり見えていて分かりやすい。それでいてちゃんと深い作品になってるので面白いなと思いました」。そう語るのは、主演を務めた愛之助。
「撮影へ入ってどう進んで行くんだろうと思ったら、楳図監督直筆の絵コンテを下さって、この絵が当たり前なんですけどまたメチャクチャお上手で(笑)。もうこれだけで作品になるような絵コンテで、“これでやります”っていうのが監督の中で決まってらっしゃったから、すごくついていきやすかったです」。
楳図監督が目指したのは物語の構成がしっかりした上での「美しい恐怖」。初監督作ながら漫画で培った“人を怖がらせる手法”は映画に変わっても健在だ。
「怖がらせるっていうのはやっててすごく面白いんです。お客さんはキャーって言うけど、驚かすこと自体はホラー映画の大きなポイントだと思うし、ホラーは遊びの極致みたいなところがあります」と話す。そうした“人を驚かせたい”という精神・遊び心とが年齢を超越した監督のエネルギッシュさに繋がっているよう感じられた。