「これは絶対うまくいく!」鬼才監督が確信、シアーシャ・ローナンの演技
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『つぐない』でアカデミー賞にノミネートされた若き実力派女優シアーシャ・ローナンの最新主演作『わたしは生きていける』の日本公開に先駆け、メガホンを取ったケヴィン・マクドナルド監督がインタビューに応じた。
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本作は、『ラストキング・オブ・スコットランド』のマクドナルド監督が、メグ・ローゾフの同名ベストセラー小説を映画化した衝撃の青春ドラマ。第三次世界大戦を背景に、複雑な生い立ちゆえに心を閉ざした16歳の少女デイジー(シアーシャ)が、愛に目覚め、一人の人間として成長していく様を描く。
その柔和な風貌とは対照的に、マクドナルド監督の作品は、骨太でリアル感に溢れている。ドキュメンタリー作家として常に社会と真摯に向き合ってきた土壌もあるが、軽めが常識の青春映画に対しても、「最近のティーンエイジャーものはつまらない作品ばかり。『僕がもっとマシな作品を作ってやる』という思いがいつもあった」と打ち明ける。
そんなある日、友人のプロデューサーから「面白いから読んでみて」とたまたま差し出されたのがローゾフの本だった。「自分が10代だった頃の混沌とした感情をリアルに描いた作品をずっと作りたいと思っていたので、この小説との出会いはタイミングが良かったね。従兄と恋に落ちるというタブー破りの設定にも惹かれたよ」。まさに運命に導かれ、この映画は船出したのだ。
だが、ローゾフの独特の詩的世界観を映像化するのは、困難を極めたとマクドナルド監督は言う。「デイジーの内面的葛藤をどう形にしていくか、課題はたくさんあったが、一番の難関はやはり女優選び。オーディションを何度も重ねたが、デイジーを体現できるエッジの利いた女優はいなかった」と吐露。