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「自由を求めた」レオナルド・ディカプリオ、リスキーな道を選んだ理由とは?

映画

 いざ現場に入ると、スコセッシ監督はアドリブを推奨するとか。特に印象に残っている即興のシーンはあるだろうか?「一番、ワイルドになったのは、ジョナ(・ヒル)演じるドニーとハチャメチャに飲みまくるシーンだね。『とことんやれるところまでやろう』との思いで進んでいたら、あまりにもクレイジーになってしまって(笑)。『こんなことやって良いの?』と、ジョナと2人で顔を見合わせたよ。まるで、ドラッグモンキーだ。予想をはるかに越えていたね」。

 さらに「もう1つが、スピーチのシーンなんだ」とうなずく。ジョーダンのカリスマ性がビンビンに伝わってくる重要なシーンとなった。「色々と計算して、プランを練って撮影に臨んだんだけれど、実際にあれだけの群集の前でスピーチをしてみると、彼らのエネルギーに押されて、僕はどんどんとジョーダンの頭に入り込んでいってしまった。彼らにとっては、教祖様みたいなものだからね。あの時はすっかり群集の勢いに酔いしれてしまったよ」。

 4度目のアカデミー賞へのノミネートも果たしている。ディカプリオは「この映画がオスカーに認められたというのは、嬉しいことだよ。製作に時間がかかったし、リスクも高く非常に苦労もしたからね。受賞するかどうかは全く分からないけれど、オスカーに認められたということだけでもう受賞に値すると思うよ」とニッコリ。

 本作をもって、一時“俳優休業”をするとの噂もあるが、燦然と輝くキャリアの中でも本作は彼にとって、どのような作品になったのだろう。「この映画は、大作にあるようなアクションや爆発はないし、本当に大人の映画。もちろん、笑えるし、娯楽作品でもあるんだけれど、人間の心の闇というとても深刻なテーマを扱っているからね。だからこそ今回は、資金提供者もものすごく慎重に選んでいった。とにかく、自由を求めたんだ。スコセッシ監督とも、『これは、慣例通りの映画ではない。まったく違う方法にチャレンジしよう』と常に話していたよ。そして、新しいチャレンジに相応しいパートナーと一緒に取り組めたことを、誇りに思っているんだ」。

 栄光と破滅。ジェットコースターのようなジョーダンの半生を描く本作は、レオナルド・ディカプリオの実力をまざまざと見せ付けられる179分となった。是非ともスクリーンで、彼の新たなるチャレンジを堪能してほしい。(取材・文・写真:成田おり枝)

 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は公開中。

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