絆を強めるバディが熱いアニメ 『啄木鳥探偵處』『ノイエ銀英伝』『富豪刑事』など5作品
■『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』神戸大助&加藤春
テレビアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』場面写真(C)筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
“クールな大富豪の御曹司と熱血刑事”が事件に立ち向かう姿を描くのが、『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』。原作は筒井康隆のミリオンセラー小説『富豪刑事』。主人公を女性に変えたドラマ版では深田恭子が主演を務め、かわいらしい表情で「ちょっとよろしいでしょうか」と事件解決に乗り出していたのも印象的で、原作誕生から40年以上を経てもまったく色あせない人気シリーズだ。ダンサー・俳優として活躍する大貫勇輔がアニメ声優初挑戦にして大助役を、声優の宮野真守が春役を演じる。
今回のアニメ版では、神戸家の御曹司・大助が警視庁で問題を起こした人間が送り込まれる「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」に赴任。正義のために動く情に厚い男、加藤春とバディを組むこととなる。マイペースで浮世離れした大助が巨額の金で事件を解決する姿もおもしろいが、金にものを言わせて行動する大助を苦々しく思う春との衝突も見どころで、これぞ組み合わせの妙といったところ。現代を舞台にしているとあって、AIを搭載した最新ガジェットもお目見え。3話以降の放送が延期となってしまったが、今後の展開を妄想しつつ、再開を楽しみに待ちたい。
■『天晴爛漫』空乃天晴&一色小雨
テレビアニメ『天晴爛漫』場面写真(C)2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会
『天晴爛漫』は、“天才エンジニアと臆病な侍”という凸凹コンビが奮闘するオリジナルアニメ。明治初期を舞台に、天才だが社交性ゼロの空乃天晴と、心配性の侍・一色小雨が、アメリカ大陸横断レースにトライする姿を映し出す。天晴役を花江夏樹、小雨役を山下誠一郎が演じる。
名前に入った“晴”と“雨”のように、対照的な性格の天晴と小雨。天晴は他人に興味がなく、態度も淡々としているが、大好きなメカづくりのこととなると瞳を輝かせて無我夢中になる。和洋折衷の奇抜なファッションも特徴的だ。小雨は常識人で小心者。侍とはいえ争いを好まず、大きな体からお人好しな雰囲気がにじみ出るさまが愛らしい。エンジニア&侍という異色の2人ながら、王道のバディものとして仕上がっており、彼らの船出にワクワクとさせられる。ロマンと可能性にあふれた時代で、見たこともない世界を目指す天晴と小雨。今後も個性的なキャラクターが次々と現れるが、本作も4話以降の放送延期が決定しており、開拓者たちのさらなる躍動が待ち遠しい作品だ。
■『ギャルと恐竜』楓&恐竜
テレビアニメ『ギャルと恐竜』場面写真(C)森もり子・トミムラコタ/講談社・キングレコード
最後に、バディではないがコンビのギャップが生み出すおもしろさの究極系ともいえるのが、ルームシェアすることになったギャルの楓と恐竜の交流をつづる、その名も『ギャルと恐竜』。口をぽっかりと開けた恐竜がなんともかわいらしく、楓からかけられる優しい言葉にパアッと笑顔になるさまも実にキュート。
前半はアニメパート、後半は実写パートの2部構成となっており、実写パートには、恐竜のパートナーとして役者の見栄晴が本人役で登場。そのほか、歌手の高橋洋子がアパートの大家さん役で出演、さらには蒼井翔太もパラレルワールドの住人として登場するなど、初回からエンジン全開! 今後も予想外の展開がありそうで、大いに楽しみだ。(成田おり枝)