細田守監督、宮崎あおいと別れがたくて「OK」出せず…収録秘話を語る
これに対して宮崎は、「恐縮です」と一礼しながらも、「細田さんは、基本的に褒めて伸ばすタイプなんですが、心の中にこだわりというか、いい意味での“毒”みたいなものがあって、急にスイッチが変わって、『あれ?今、私、怒られてるのかな?』っていう瞬間があるんです。本作ではなかったですが、『おおかみこどもの雨と雪』のラストで私が泣くシーンでの演出は今でも忘れられない」と笑顔で振り返る。
すると細田監督は、「最後はやっぱり別れ難いんですよね。あおいさんに関しては優秀なので、ほとんど1テイクか、2テイクでOKを出しちゃうんです。でも、最後にすぐOKを出しちゃうと、このまま終わっちゃうじゃないですか。『はい、お疲れ様!』といって、そのうち記憶から消されちゃうのも嫌だなぁと思って。あおいさんには正直、自分をちょっと印象づけたいなっていう思いもありましたね」と、照れ笑いを浮かべながら真意を明かした。
宮崎をはじめ、役所、大泉洋、リリー・フランキーなど、個性の強い役者をキャストに選ぶのは、あくまでも細田監督の“声”へのこだわり。「自分が描いている人物に近い方を求めるんです。声質とか、何でもできる器用な方とかではなく、そこで描かれている人物と人間性が近い方にお願いしたくなる」と吐露。「アニメーションなんて、数年かけてひたすら絵を描いている、言ってみれば雲をつかむ仕事じゃないですか。でも、キャスティングの時にやっとその人物に会えた気がするんですよ」と声を弾ませていた。
心躍るストーリーや圧倒される風景描写はもちろんのこと、個性豊かなキャラクターの“声”にも是非注目して放送を見て欲しい。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『バケモノの子』は『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)にて7月22日、21時から放送。
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