『ファインディング・ドリー』大ヒットの裏に“最も影響力をもつ人”の努力があった
『ファインディング・ドリー』の快進撃が止まらない。北米公開初日に、アニメの1日の売り上げとしては最高記録に当たる5500万ドルを売り上げ、初週末3日でアニメ映画のオープニング記録となる1億3500万ドルを稼いだ『ドリー』は、公開2週目の週末にも予測を上回る7320万ドルを売り上げ、アニメ映画の公開2週目週末の最高記録を打ち立てた。
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これまでの2週目週末の記録は、『シュレック2』の7200万ドルだった。これはまた、映画全体において、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の7260万ドルを抜き、史上8番目の2週目週末記録となる。
公開初週末と2週目の週末の差は、マイナス45.8%で、予測の参考材料とされていた『トイ・ストーリー3」のマイナス46.7%よりも、落ちこみが少なかった。公開初週末に大きな数字を上げた映画は、その分、2週目に落ち込むことが多いので、ここまで数字を保ったのは、口コミ効果と想像される。観客の感想を調査するシネマスコア社の調べで、『ドリー』はAを取得していたことから、ポジティブな口コミがさかんに飛び交うことは、期待されていた。
この爆発的ヒットの裏には、ドリーの声を務めたエレン・デジェネレスの努力もある。アメリカで絶大な人気を誇り、“最も影響力をもつ人”とも言われるコメディアンのデジェネレスは、ずいぶん前から、自分のトーク番組で、『ファインディング・ニモ』の続編をジョークのネタにしてきている。「続編が作られる気配がないからジョークにしていた」とデジェネレスは言うが、いざ、冗談が本当となり、しかも今度は自分が主役とわかってからは、さらに番組内で積極的に映画の話をしている。
また、映画の北米公開直前には、50本以上のツイート、フェイスブック、インスタグラムを投稿をしてSNSをフルに活用、それらの投稿は960万の「いいね」やコメント、シェアを受けることになった。デジェネレスは、『ドリー』を「1作目よりもさらに奥行きがあり、優れた作品」と大絶賛。それを聞いて映画館に観に行ったファンは、多いはずだ。
しかし、2週目もこれだけ人を呼び寄せるというのは、作品自体に力があった証拠。この後も今作が新しい記録を作り続けるのかが、注目される。(文:猿渡由紀)
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