クランクイン!

  • クラインイン!トレンド

『弱虫ペダル』原作者が語るキャラクターの魅力、“エース”を主人公にしなかった理由

アニメ

 さらに「主人公がエースのパターンがスポーツ漫画のほとんどだと思うけれど、エースを任される人は世の中の一握り。ほとんどがその周りにいて、助ける人。ロードレースだとアシストと呼びますが、アシストの人たちの動きって献身的で自己犠牲的で、見ていてとても面白い。坂道を主人公にすることによって、アシストの目からロードレースを描けたということで、すごくいいものができているいう気がしています」と晴れやかな表情。「主人公が、一番下から上を見上げて様々なことを知っていくからこそ、色々な人が描けた」と共感度抜群の坂道を主人公にすることにより、豊富なキャラクター勢が生まれたという。

 「“ライジング坂道”と呼んでいるんですが、地平線の向こうから、あの頭と丸いメガネがドン!と上がってくると、“キターッ”という気持ちになるんです。彼から夢と希望をもらっています」と愛情たっぷりに語るが、こうして愛をたっぷり注ぎ込むからこそ、キャラクターがいきいきと輝いているようだ。「この人はこんな段階を経てきたんだろうなと想像したり、本当に“この人がいる”と思ってキャラクターをつくっています。すると口調も決まってくる。例えば、今泉と鳴子は言い合いをするけれど、今泉は絶対に鳴子を“チビ”とは言わない。今泉は性格が悪そうに見えるけど、身体的なことを指摘するようなことは絶対に言わないんです」。

 キャラが豊富だが、「キャラ表はつくっていない」のだとか。「ある程度、かっちりと口調や設定を決めますが、それが縛りになってしまってはいけない。指先から出てくるものがすべて」と瞬間、瞬間の滾りをキャラクターに込める。ぜひスクリーンで、血の通ったキャラクターたちが魅せるドラマを堪能してほしい。(取材・文・写真:成田おり枝)

 『劇場版 弱虫ペダル』は8月28日より公開。

2ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

関連情報

関連記事

トップへ戻る