生田絵梨花が人間味あふれる先生役に挑戦! 「今まで見せたことがない一面をたくさん引き出してもらっている」
ドラマ『素晴らしき哉、先生!』主演・生田絵梨花 クランクイン! 写真:高野広美
――今回、地上波連続ドラマ初主演ということで、現場で意識していることはありますか?
生田:そうですね。もともと自分からコミュニケーションを取るのが得意ではないという自覚はあるんですけど、今回はまず自分が壁を作らず、心を開こうということは意識をしました。かと言って、そういう行動ができているのかというと、自分的にはわからないんですけど、ただ現場の空気感がすごく心地よいので、あまり自分をつくろわずに、背負い過ぎずにちゃんと本音を漏らしながら皆さんとコミュニケーションができていて、皆さんに支えられながら頑張れてるなという感じがします。
――宅間監督とのやりとりで印象深いことは?
生田:監督は…例えばセリフでちょっと言い淀んだり、セリフを噛んだりしても、それをすごく「生々しくていい」と言ってくださるんです。今まで私はきちんとやろう、しっかり整理してからみたいな慎重派だったんですけど、監督とお芝居を探っていくと「あ、自分って、こういう感覚になることあるんだ」とか、思ってもみなかった表現が生まれたりすることが結構多くて、すごく引き出してもらっているなと思います。
――キャストの皆さんは個性豊かな方々がそろっていますが、ムードメーカーはいらっしゃいますか?
生田:ムードメーカーは…(と考えながら)柳沢慎吾さんは、本当にずっとしゃべっていますね(笑)。早朝に現場に入った時からもうマシンガントーク。撮影の合間もトークショーみたいな感じで、現場を和ませてくださって、私も思わず笑ってしまいます(笑)。
――(笑)。そんな柳沢さんをはじめ、共演者の皆さんとのやりとりで印象に残っていることは?
生田:りおの悲しさ、悔しさを出すシーンの時に、なかなかうまく自分がコネクトさせられなくて、6時間ぐらい同じシーンをトライさせてもらったんです。その時は、先生役の葉山奨之さんと、桐山漣さん(※「漣」の正式表記は「一点しんにょう」)と一緒のシーンだったんですけど、お2人も「役者として気持ちがわかる」と付き合ってくださいました。声をかけてくださる時もあれば、1人にしてくれる時もあって…。その日は孤独になりそうな瞬間がたくさんあったんですけど、「1人じゃないんだな」という温かみを感じられて、印象的な一日でした。
ドラマ『素晴らしき哉、先生!』第1話より (C)ABCテレビ
――生徒役の皆さんとは現場でどのようにコミュニケーションを取られてるんですか?
生田:「どんなことが好きなの?」「普段どんなことしゃべっているの?」とか、そういうことを聞いてますね(笑)。
――生徒役の皆さんを見て新鮮に感じることはありますか?
生田:カメラが回っていない時も、お互いにコミュニケーションを取られているんですが、それがリアルな学生生活をのぞいてるような感じがして新鮮ですね。年齢的には生徒役の皆さんに近いんですけど、「先生」と呼ばれたりすることってあまりないですし、「先生」と言われるとすごく新鮮で、シャキッとしなきゃなと思います(笑)。
――ご自身の経験から「学生時代にこれはやったほうがいい」と思うことは?
生田:学生時代は乃木坂46の活動もしていたんですが、学校行事だけは参加したくて、いつも気合で参加してました(笑)。やっぱり、みんなで同じ思い出を共有したり、何か1つのことを目指したり…そういうことってすごく貴重な時間ですし、大人になってからも思い出すので、そうした瞬間を大事に楽しんでほしいなと思います。
――今回、主題歌「歌を贈ろう」で竹内まりやさんとご一緒されたとのことですが…。
生田:まりやさんが書き下ろされた「歌を贈ろう」のレコーディングは、撮影がクランクインする前に参加させていただいたんです。その時もすごくいい曲だなと思っていたんですが、撮影が進むにつれて作品で感じたことや見えた景色が曲に重なるようになってか、同じ曲を聴いているのにすごくじんわりくるんですね。まりやさんが「歌を贈ろう」を書き下ろしてくださった時に、「笹岡りおのことをこの歌で励ませたらいいな」とおっしゃっていたんです。まさにその思いが、撮影が進むにつれて色濃く感じ取れるようになって、すごく感謝しています。
――生田さんが思う本作の注目ポイントは?
生田:先生のお話ではあるんですけど、生徒や学校生活だけじゃなくて、家族や恋人の話もふくめて、そうした一人の人間としての生き方が描かれているんです。誰しもがきっと、家での自分と仕事や学校での自分との葛藤で揺れ動いたり、いろいろな人間関係に板挟みになったり…そうした中で一生懸命に生きてらっしゃると思うので、視聴者の方に「自分だけじゃないんだな」とか、「いや、完ぺきは無理だよな」とか、そうしたことに少しでも共感していただいて、皆さんのエールになったらいいなと思います。
(取材・文:齊藤恵 撮影/高野広美)
ドラマ『素晴らしき哉、先生!』は、ABCテレビ・テレビ朝日系にて8月18日より毎週日曜22時放送。
ドラマ『素晴らしき哉、先生!』主演・生田絵梨花 クランクイン! 写真:高野広美