『幽☆遊☆白書』戸愚呂兄弟・綾野剛&滝藤賢一、“肩乗り”“筋肉増量”――新たなチャレンジとなった撮影で感じた思い
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Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』で戸愚呂弟を演じる綾野剛 (C)Y.T.90‐94
――個性豊かなキャラクターを実写として生み出すために、数々のハリウッド映画を手掛けてきたVFXスタジオ「スキャンラインVFX」のほか、カナダ、オーストラリア、韓国など世界中の最先端CG・VFX技術を結集したグローバルチームが編成されました。兄の弟への“肩乗り”、弟の筋肉増量など、どのように表現されているのか大変気になりますが、顔の表情はお二人の芝居を取り入れ、身体はCGで作られているとのこと。最先端技術を経験した感想を教えてください。
滝藤:とにかくいろいろなオーダーがあって、それに臨機応変に対応できる柔軟さが必要だったと思います。日々どのようなオーダーが来るのかまったくわからないけれど、それが本当に面白かったですね。“肩乗り”も、実際に綾野さんの肩にくっついて、歩いていく後ろをちょこちょこちょこ!とついて行ったりして(笑)。これがどのような映像になるんだろう、こういうところから始めるんだ!と驚きがありました。
――ロサンゼルスの「スキャンラインVFX」で撮影をされたのは、お二人が日本人で初めてのことだそうです。未知の領域に足を踏み入れる上では、弟役を演じる綾野さんの存在が心強くもありましたか?
滝藤:そりゃあそうでしょう! これだけ作品や役に対して責任を持って真摯に向き合う俳優さんって、なかなかいないと思います。『幽☆遊☆白書』に参加するんだ!とどこか祭りのような気持ちがあるところ、綾野さんと一緒の現場となると、ただ楽しいだけではいられない。綾野さんがこの作品に対してとてつもない気持ちを抱いているというのは、最初から感じていました。監督と役についてずっとセッションしていたりする姿を見ていて、こちらも身が引き締まりました。とても稀有な俳優さんだと思います。
綾野:僕は、滝藤さんが兄者を演じてくれると聞いた時にすごく嬉しくて。安心感もありますし、滝藤さんの芝居が大好きなので、ご一緒できる喜びもありました。兄者は劇場型で、それぞれの感情を言葉に変換し相手を支配しつつも、それでいてユニークさと地に足がついているという融合は、滝藤さんでなければ表現できないと思います。言葉を操りながら相手の深層心理に踏み込み、それを恐怖として刷り込んでいく。すごいです。
――たしかに、すごいことです…!
綾野:兄者は身長120センチですが、体重は未知数です。CGを使うと浮遊感を出すこともできますが、滝藤さんが演じると浮遊感や、その自重自体を操れる兄者ということに、ものすごく説得力があって。“重力のない芝居”といいますか。映像として観ても、僕の肩に乗っていることにまったく違和感がありません。