亀梨和也、30歳で考えたセカンドキャリア 「芸能界という場所じゃないかもと思ったこともあった」
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――しかし、今もこうやってエンタメ業界で活躍されているということは、どこかで心変わりがあった。
亀梨:正直、2021年を越えてまだここにいることを、明確に想定していませんでした。そういったなかでも、こうやってお仕事の話をいただけるのは本当にありがたいことで。だからこそ、「どうせやるならやり切ろうよ」というマインドで臨んでいたんです。そして本作をはじめ、いろいろな作品や人と出会い、感覚を刺激してもらって。結果、今年は“自分への期待を取り戻す”をテーマに活動すると決めたんです。僕がそういうマインドになったときに本作が公開するのも、巡り合わせだと思いました。きっと神様が「ちょいちょい待ちなさい、早まるでない」と示してくれたのかなと。
映画『怪物の木こり』場面写真 (C)2023「怪物の木こり」製作委員会
――さまざまな思いのなかで臨んだ本作。改めて、完成した作品を見た感想は?
亀梨:自分が出ている作品なのでちょっと恥ずかしさもありますが、本当にいい作品だなと。サイコパスという強いワードが印象に残りやすいですが、最終的に本作はヒューマンドラマだと思っていて。温かみも感じますし、人間とは、自分とは一体何なのかと考えるきっかけにもなる作品です。
作品を見てから僕は、サイコパスがどうこうではなく、人は置かれている環境や状況によって、自分には知りえない自分が出てくるのではと考えました。例えば、目の前にご飯が置いてあって「絶対に食べちゃダメ」と言われたら、普段なら食べません。ただ、もし10日間何も口にしていない状態ならば、手を出してしまう可能性もあると思って。同じシチュエーションでも、その時の状態によっては一気に訪れる感情がある。その怖さを感じました。そして本作は、人には知らなくていい距離感や関係値があるかもしれないと考えさせられる、そんな作品でもあると思います。
(取材・文:M.TOKU 写真:上野留加)
映画『怪物の木こり』は、12月1日より全国公開。