山田涼介、30歳迎え役者業に感じる醍醐味「うまくいかなかったときほど面白い」
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山田は、アイドル、俳優、YouTuberなど、多方面に活動の場を広げている。その中でも俳優業に感じている醍醐味(だいごみ)とは、どのようなものだろうか?
すると「毎日違う刺激がある。みんなで1つのものに向かって、同じスピードで歩んでいくことが、ものすごく面白いです。例えば文化祭などでみんな一緒に何かを作り始めると、とてもワクワクしますよね。そういったお祭りの中にいるような感覚がある」と笑顔。「自分の知らない自分になれたり、その役になっていくプロセスもすごく好き。それはアイドル業やYouTube活動でも得られないものだし、普通に生きている中では味わえない刺激を得られるのが、俳優業だと思います」と思いを巡らせる。
さらに「うまくいかなかったときほど、面白い」とも。「本作の撮影も泊まり込みで行われましたが、夜にホテルに帰って悩んだりする時間も面白いんですよね。ちょっと僕は変なのか(笑)、いつもとは違った知らない場所で、これまでは知らなかったことについて悩んでいると、新しい人生を歩んでいるような気がしてくる。それを乗り越えられたときが、またとても気持ちがいいもので。そうやって悩んでできた作品だからこそ、愛情も深くなる」ともがきながら、表現という未知なる世界に挑んでいる。
2017年の映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の初日舞台あいさつで、山田は共演者の西田敏行からサプライズで手紙を送られたことがあった。決して弱みを他人に見せない山田の人柄を踏まえながら「山田くんは、俳優として堂々とスクリーンに存在している」と西田からのエールがつづられていたが、当時を振り返った山田は「あのお手紙は、本当にうれしかったです。真面目にやっていれば、見てくれている人は必ずいるものだなと思えました」としみじみ。「役者としての自信は、今も持てないです。悩みもがきながら、どの役、どの作品も一生懸命にやるだけ」と話すなど、真面目で努力家な素顔が彼の魅力の1つだろう。
(C)2023「BAD LANDS」製作委員会
「もしネリとジョーのように、大金を手に入れたとしたら何をする?」という質問には、「僕、物欲がないので…。貯金かな。何をしている時間が1番楽しいかといえば、ゲームですね」と笑った山田。そんな彼にとって原動力となるのは、「この仕事が好きだからとしか言いようがない」と力強く語り、「きれい事に聞こえるかもしれないですが、僕たちがやっているのは、ファンの方がいてこそ成り立っている職業。ライブや映画、ドラマなど、自分が携わったエンタテインメントを楽しんで、笑顔になってくれている人たちの姿を見ると、本当に『やっていて良かったな』と思える。この職業は大変ではありますが、やりがいだけはものすごくあるので。求められる限り、できるところまで頑張りたいです」と宣言していた。
(取材・文:成田おり枝 写真:上野留加)
映画『BAD LANDS バッド・ランズ』は、9月29日より全国公開。