小泉今日子「みんなを本気で楽しませたい」 デビュー40年を超えても走り続ける原動力
――デビューから41年が経ちました。今でもこうして積極的な活動を続ける原動力はどこにあるのですか。
小泉:私は、幼い頃から、テレビドラマや本や映画が大好きで、そうしたエンターテインメントを受け取るのがすごく楽しかったし、家族や友達とそれについて話すことが一番の楽しみでした。なので、私は受け手としてすごく優秀だと思うんですよ。今、送り手としてものを作ってもいますが、その時に、受け手の気持ちが分かるというのは、大きなプラスだと思います。今でも家に帰ったら韓国ドラマを観て、本を読むのが唯一の楽しみだったりするので(笑)。じゃあ、そんな自分が送り手になった時、どうしたら皆さんに喜んでもらえるのかを考えるのが、私にとって大きなモチベーションになっていると思います。受け取って送って、受け取って送って…という循環をずっとしていたいんです。
昨年、デビュー40周年のコンサートツアーを行ったのですが、その時に、改めてファンの方がいてくれるからこそやってこれたんだと実感しました。みんなの応援が私の糧になって、私が表現することでみんなが少しでも元気になって。それがずっと続いてきたから、今日があるんだなと思いました。なので、ものを作る時の一番のモチベーションは、受け手の皆さんです。
――そうすると、俳優としての活動もプロデューサー業も同じ思いのもとに動いている?
小泉:役割が違うだけで、特に違いは感じてないですね。俳優として現場に行った時も、プロデューサーとして行った時も、ライブをしている時も、全部一緒の思いです。ただ、みんなを本気で楽しませようと思っているだけです。
――まずはこの作品だとは思いますが、その後の小泉さんの活動は?
小泉:今年の後半は、音楽活動をやろうと思っています。小泉としてやるものと、(上田ケンジとのユニット)黒猫同盟の活動もあるので、この舞台が終わったら、しばらくは音楽に力を入れる予定です。ただ、舞台もミニマムにできることを「明後日」として増やしたいなとは思っています。今回のようにヴァイオリンの方に出演していただいて、朗読劇を行うとか。気軽にいろいろなところで何かができたらと、プロデューサーとしてはそんなことを考えています。
――最後に7月27日の開幕に向けて、読者にメッセージをお願いします。
小泉:18世紀のヴェネツィアを舞台にした物語というと、遠い昔の話のようですが、それぞれの女性が抱えている状況や想いは現代の私たちも感じていることだと思います。観てくださった方は、きっとどなたかに共感してもらえると思うので、今あるお話だと思って受け止めてくれたらうれしいです。音楽もすてきなので、ぜひ楽しみにしていてください。
(取材・文:嶋田真己 写真:高野広美)
asatte produce『ピエタ』は、7月27日~8月6日に東京・本多劇場、8月9日~10日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、8月19日〜20日に富山・オーバード・ホール/中ホール、8月26日に岐阜・ぎふ清流文化プラザ長良川ホールにて上演。
・ヘアメイク:石田あゆみ
・スタイリング:宇都宮いく子(メイドレーンレビュー)